1枚のイラスト名刺がきっかけで、お店の売上げが4割アップした話
名刺で人生が変わるなんてこと...あるわけない!
と思いますか?
しかし、実際に1枚の名刺によって大きな変化をとげた事例があるんです。
こんにちは😊
漫画クリエイターのてるです。
これは、わたしがフリーランス活動を始めたばかりの頃の話なのですが
したことがあります。(わたしではなく、お店の売上げです)
とはいえ10年以上も前のエピソード。
SNSやオンライン名刺もある今とは環境が違いすぎますが「イラスト活用方法のヒント」にはなるのかも?と思ったので、まとめてみることにしました!
このnoteでは、
をテーマに、なぜ4割アップが実現したかをわたしなりに検証していこうと思います。
【こんな方にオススメです】
・イラストレーターさん
・イラストをPRに活用したいと考えている企業や個人事業主さん
出来事の流れを振り返りながらお話していきますので、よろしければ、最後までお付き合いください!
🍀ご依頼のきっかけ
名刺のデサインを依頼してくれたのは、当時、JR静岡駅前の地下商店街に店を構えて数十年という洋食屋『キャット&ボア』のオーナーNさん。
昭和を思わせる佇まいをもつ ”昔ながらの洋食屋”『キャット&ボア』の一番人気は、こっくりと濃いデミグラス色が特徴のミートソース。独特の味わいが「美味しくてクセになる」と人気で常連さんも多く、親子3代にわたって通うファンもいるお店。
静岡市の人なら一度は行った思い出がある。
そんな、街の洋食屋さんでした。
『キャット&ボア』のオーナー(みんなから「ママさん」と呼ばれていたので、以下ママさんと呼ばせていただきます)とは、「起業塾」というビジネスの勉強会でお会いしました。起業塾は月イチで全5回の講座だったので、回を重ねるごとにみんなが仲良くなり、まだ名刺を作っていなかったわたしは、ご挨拶した方にイラストのポストカードを配っていたのです。
ママさんはそのポストカードを「なんか元気が出るイラストだね!」と気に入ってくださり、名刺のデザインを依頼してくれたのでした。
🍀デザインを考える
名刺作りにあたってのご要望は特になく「どんなものでもいいよ!」とおまかせ頂きました。
初めての名刺デザイン。
さて、どんなのがいいだろう?と考えたとき、パッと浮かんだのは、会う人を元気にしてくれるようなママさんの笑顔でした。
いつもニコニコと楽しそうなママさんは、会うたびに「大丈夫だいじょうぶ!」「ワクワクするよね!」とポジティブな言葉をかけてくれます。
お話しているだけで励まされているような気持ちになる「みんなのお母さん」みたいな方でした。
わたしがお店に行った際も、お客さんに声をかけては
「あら〜〜◯◯さん、お久しぶり〜〜元気でした?
この前の件、どうなったの?
へーそうなの!きっとうまく行くよーー🎶」
とニコニコの笑顔を絶やさず、お客様に明るさを届けていました。
そして何より、ママさんが一番楽しそうでイキイキしてる!
ご本人も「お店で働くのが大好きなんだよね〜〜〜!楽しくって🎶」と語っているのが印象的でした。
そんな様子をみて
「人気のミートソースも美味しいけれど、ママさんとおしゃべりして元気になりたいお客様も多いのかな」と感じたわたしは、名刺デザインもママさんの魅力である
「会った人を元気にする、明るさと笑顔」がそのまま伝わるような似顔絵イラストでいこう!
と思いました。
そしてできたのが、こちら。
似顔絵イラストをメインに、キャッチコピーを添えて。
デザインはごくごくシンプル!
ちなみに、この画像には出ていないのですが、「日本でたったひとつのミートソース」のあとに
ミートソース日本代表
というキャッチコピーが当時のデザインには入っていました。
(さすがにデータも名刺も残っていなかったです…😅)
🍀なぜ『ミートソース日本代表』なのか?
ここで、キャッチコピーについて補足を少し。
そもそも、洋食店を経営して数十年というベテラン経営者であるママさんが、なぜ起業塾に参加していたのかというと、人気のミートソースを「家でも食べたい」というお客様の声に応えるべく、レトルト販売のヒントを探すためでした。
親子3代でファンがいるミートなので、「遠方にいる孫や娘に送って、食べさせてあげることができたら」という声を多くいただいたのだそうです。
「なんとかして、レトルト販売する方法を考えてるの!」
とアツい想いを伺っていたので、イラストを描きながら自然とキャッチコピーが浮かんでいました。
ママさんはイラスト名刺とキャッチコピーを、「いいねコレ〜!コピーも、まさにそんな気持ち。ピッタリ!」と喜んでくれました。
【キャラ展開1】 看板にもイラストを
名刺を納品してから、しばらくした頃。
ママさんから電話をもらいました。
「イラストがとても評判がいいから表の看板にもつけたいんだけど、いい?」
そのご要望に応えるべく、わたしはイラスト部分をA4に拡大コピーした紙を持って届けにいきました。お店の玄関前には、レストランによくあるようなメニューを書いた黒板があり、そこにぺたっと貼って終了。本当に、ただそれだけだったのです。
しかし、変化はそこから始まったのでした。
【キャラ展開2】 行列が!そして店内にも
しばらくして、またママさんから電話をもらいました。
「てるさん、聞いてー!
表の看板にイラストを貼ってから、お客さんが増えたの!
みんな、『イラストを見て、またママに会いたくなって』とか『ミートの味を思い出して食べたくなったんだ』とか言って来てくれたのー!
イラストのチカラってスゴイんだね!」
驚いたのは、わたしのほうでした。
「キャット&ボア」がある地下商店街は、駅から百貨店や地上の商店街に行く人の流れがあり、オフィスビルもあることからサラリーマンも多いエリア。老舗のお店で常連さんも多いとはいえ、飲食店としては激戦区です。
それが、しばらくごぶさたしていたお客様が、看板のイラストをきっかけに戻ってきてくれたのです。しかも、その動きは徐々に拡大し、ランチタイムには行列ができるように!!!
ママさんいわく
「テレビで紹介されたあと一時的に行列になることはあっても、せいぜい1ヵ月くらい。こんなに継続して行列が当たり前になるなんて、今までなかったことだよ!」
とのことで、連絡を受けてわたしも見に行ったところ、けっこう待っている人が・・・!
そしてランチタイムの行列は定番化し、夕方5時頃も外にお客様が並んでいるのが当たり前のお店になっていました。
【キャラ展開3】 店内のディスプレイにも
次なる展開は
「イラストが好評だから、店内にも飾ったらいいと思ったんだけど、どうかな?」
というもの。
そこで、イラストにママさんの口ぐせである「大丈夫だいじょうぶ!」や
「明るく朗らかに」といった手書きメッセージを描きいれ、額装したものを用意して飾ってもらいました。
お店が一段と明るくなった!と、これまた好評。
お客さんとの話題づくりにもなったそうです。
また、こんな副産物も。
「お店で疲れたなーと思っても、ふとイラストにある笑顔の自分を見ると、なんだか元気がわいてくるんだよねーーー不思議!」
イラストからパワーをもらう!
ママさんの感受性も素敵ですが、イラストのチカラというものを、改めて感じさせられた出来事でした。
【キャラ展開4】 メディアにたびたび登場!
キャット&ボアさんは、その後も行列がつづいたことで地元テレビの取材を受けました。
「老舗の洋食屋に一体どんな変化があったのか?」
という質問に、ママさんがイラストを活用した話をしてくれたので、わたしが描いたママさんキャラも何度も画面に映りました。
そして放送後はさらに行列が長くなり、次の取材を呼ぶ・・・という展開になっていきました。また、お客様として来店したメディア関係者に、後日お礼状を送ったりもしていたようです。(イラストポストカードの発注もご依頼いただき、何回か届けていました)
こうして、ひとつのイラスト名刺をきっかけに集客がアップしたキャット&ボアさん。
やったことというと
でしょうか。あとは、ママさんのほうがイラストとおなじ服を着て、寄せていったりもしてましたね。笑
結果的に
として、ロゴマークのように認知度がアップしたのだと思います。
🍀わたしにも行列が!
「キャット&ボアの行列のきっかけをつくったイラストレーター」ということで、わたし自身にも似顔絵キャラを描いてほしい!という依頼が相次ぎました。
起業塾でご一緒した方からの依頼や、ご紹介、ビジネス交流会でお会いした方などなど…
そして次第に似顔絵だけでなく
・パッケージイラスト
・広告マンガ
・WEB制作
と、さまざまなお仕事をさせていただき、長男出産の5日前まで仕事に明け暮れました。(産休に入る予定がトラブルにより急遽入院となったため…😅出産は予定通りにいくとは限らないので、これからの方はご無理なさらず!です)
『キャット&ボア』さんの事例の成功は、わたしに様々な恩恵をもたらしてくれました。
・ラジオ出演
・フリーペーパーのインタビュー掲載
・翌年の起業塾で登壇
・商売繁盛応援団、木越和夫さんの講演や書籍で紹介される↓
その後、『キャット&ボア』さんは静岡市の駅前再開発事業により移転を余儀なくされ、紆余曲折あったあと、ママさんとご主人の事情により閉店してしまいました。あの美味しかったミートソースが食べられないのは、残念でなりません・・。(今でも、ときどき恋しくなります)
ですが、ママさんとご主人は今もお元気で、リタイア生活を「悠々自適^^」と楽しんでおられるようです。
ありがたくもママさんは「てるさんの活動のお役にたてるなら、わたしのことをどんどん使ってくれていいからね!」と言ってくださっているので、お言葉に甘えて、今回のnoteをまとめてみました。
今でも、初対面の方にイラストをお見せすると「えっ!あのママのイラストを描いた方なのですか」とすぐにわかってもらえることがあります。これも、あの頃ママさんとともにテレビで何度も紹介されたり、大きな看板に使ってもらったおかげなのです。(ただし静岡ローカルに限りますw)
追記:
食べログには【閉店】キャット&ボアとしてお店情報は残っています。ミートソースや移転前、移転後の店舗写真も投稿されているので、ご興味をもった方はぜひご覧ください。あー食べたい〜!😂
🍀おわりに
いかがでしたでしょうか?
今は飲食店もSNSで発信して集客するのが当たり前になっています。
でも、
イラストがもつ「伝える力」は10年前と変わらない。
むしろ、今だからこそやり方次第で大きな可能性を秘めている
と思います。
この記事からお役にたてるものがありましたら嬉しいですね。
あ、ちなみに。
最近もこんな名刺を作ったりしていますが↓
おかげさまで大好評!
渡す前から「(他の人がもらってるのを見て)これ!欲しかったんですよ〜」と喜んでいただけます(*´﹀`*)
ご依頼をうけてデザインもしています。
ご興味のある方は、TwitterのDMからお問い合わせくださいね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!
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