見出し画像

あざみ 2

春生まれの僕は春が苦手だ

気候的には好きな季節なのだけど

精神的にはかなり辛い季節なんだ

春は心のバランスが崩れて鬱状態に拍車がかかり
自己嫌悪が更に加速する

自分の価値が見いだせなくなるんだ

そして何もやりたくなくなり
何もやっても気分が上がらない
正直、とても苦しい

多少は悪いことでも構わない
勿論、法に触れる様な事ではなく
例えば、誰かに恋したりとか…
何か気分が上がる様な事をやりたい
ドラッグとか、そんな何かの力を借りてからではなく
ときめく様な何かが欲しい

悪党にもなれず
善人にもなれず
何にしても中途半端だった気もする

結局は誰かに喜ばれたい
誰かの役に立ちたいと言うのも
僕自身の欲なのだ
与えることに喜びを感じてると云うより
喜ばれたい感謝されたいと云った類いのものである

本来、布施と云う行為は
与えられたものに対して与えたものが感謝と喜びを感じるものと何かで聞いたことがある

それが有るべき姿だろう

誰かが植えた訳でもなく
アスファルトの割れ目から、あざみの花が顔を出している
薔薇ほど高貴でもなく綺麗でもなく
紫色のその花は風に吹かれて靡いている
そして、その花の価値には似つかしくない刺を持って
身を守っている

何かに身を任せ風の吹くままに自然に生きれたらいいな
そんな事を考える
自分の意思ではなく、その場所に根付いて、そこに根付いたことに喜びを感じ、ひっそりと生きていけたらいいな…

明け方の夢は辛い夢ばかりだ

始まりの辛さは絶望の辛さなのかもしれない

続く