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未来人 ー香川の未来がそこにあるー

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香川県の未来を切り拓く「人」に焦点をあて、取材しています。 各人が語る「理想の街」から、まちづくりのヒントを探る企画です。 創刊45年、発行部数46,000部のタウン情報誌「ナイ…
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#挑戦

地域に誇りを持つ 未知への挑戦を続ける四国水族館

四国水族館(香川県宇多津町)は、2020年6月にオープンした四国の次世代型水族館。鳴門のうずしおや太平洋の黒潮など、四国の海や河川の織りなす景観を再現する。まるで水中を散歩しているような居心地のよさが特徴。魚名板を設置しないのは、水中の世界観を感じてほしいからだ。 運営会社である四国水族館開発代表の流石学(さすがまなぶ)さん(42)は、医療の経営コンサルタントとしての顔も併せ持つ。かつて島根県で地域医療の充実に取り組んだ異色の経歴で、地方創生の観点から水族館を経営する。流石

挑戦者が集う場所 自分たちでつくる地域の未来

そうめん店「まさご屋」の真砂泰介さん(34)が運営する「麦縄の里(高松市東植田町)」。この春、施設内に次々と個性的な店舗がオープンした。各店舗のオーナーは20代から30代の若者たち。動物性の食材を使わないハンバーガー店やこだわりの材料で作るシュークリーム店など6店舗が入る。各店舗は事業を通じて、「どうすれば持続可能な社会を実現できるのか。そのために何をすべきなのか。」を私たちに投げかける。若者の挑戦を支援し、自らも地域づくりに奮闘する真砂さんに理想の街を聞いた。 ▽当事者意

挑戦できる環境をつくる ワクワクする東かがわ市へ

香川県の東端、約3万人が暮らす東かがわ市。130年の歴史をもつ手袋産業は、国内生産の約9割を担う。ハマチ養殖発祥の地で、晩秋には4キロ以上に育った「ひけた鰤(ぶり)」が各地に出荷される。 東かがわ市長の上村一郎さん(40)は、2019年4月の市長選で初当選を果たした。香川県の8市9町で一番若い首長だ。陸上自衛隊員、PR会社・広告代理店 、国会議員の秘書など異色の経歴を持つ。 まちづくりの基本理念に「誰もが知っている、ワクワクするまちへ」を掲げ、情報発信や市内外の企業との

少数者が溶け込める街に 意識の壁なくし自然体で

観音寺市で福祉事業を営む毛利公一さんは、障害者を含むマイノリティー(社会的少数派)の人たちが心地よく暮らせるまちづくりに挑んでいる。23歳の時、不慮の事故で首から下を動かせなくなった。身体の自由を失い、障害者に向けられる同情を含んだ視線に気付く。一方、留学で訪れた米国は自分が車いすに乗っていることを忘れるほど周囲の態度が自然だった。「障害者に抱くマイナスのイメージこそが障害者をつくる」。意識の壁を取り払い、誰もが自由に生き方を選べる社会の構築を目指す毛利さんに理想の街を聞いた