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kyofla
#105 真正な学習
これまでの学校教育は、教科書を中心にした知識詰め込み教育を進めていた。
しかしこれからの知識基盤社会では、個別の知識よりも「使えるレベル」の知識、いわば概念の理解が必要になる。
そのためには、これまで通りの教科書中心の授業を脱却しなければならない。
ではなぜ教科書通りではダメなのか。
教科書の問題には、現実に即した「文脈」が存在しない。
文脈が存在しないので、子どもには「なぜ学習しなければならないのか」という目的が明確に伝わらない。
切実感のない学びが生じてしまう。
そうではなくて、問題場面や課題に「文脈」を与えるのだ。
それも教育くさくない文脈、嘘くさくない文脈が必要である。
これまでのような「教科の世界」に閉ざされた学びではなく、具体化な文脈や状況を豊かに含み込んだ「本物の社会的実践への参画」として学びをデザインする。
そうすれば、学ばれた知識も本物となり、現実の問題に生きて働くオーセンティック(真正)な学習となる。
そして単元の終末では、知識が転移するような課題を与え、知識の概念的理解を促す。
これがパフォーマンス課題である。
これから授業をデザインする際は、学びの「文脈」を意識し、子どもに学びの必然性・切実生を与えなければならない。
これが実現できれば、子どもの学習意欲も増し、生きて働く本物の学力をつけていくことができるだろう。
では。