#126 思考過程が見える思考ツール
思考ツールはとても便利な道具である。
しかしその利便性がゆえに、子どもの思いを見えなくしてしまうこともある。
思考ツールは便利だが、冷たい道具でもあるのだ。
例えばピラミッドチャートを活用し、たくさんある候補の中から、条件に合うものを選んでいく活動。
子どもは話し合いをする際に、下から上へと候補を上げていくときに「理由や思い」を伝える。
しかし完成したピラミッドチャートには、話し合いが終わった後の状態が残っているのみで、理由や思いは書かれていない。(候補が移動しただけの状態が残る)
これでは子どもの貴重な思いを可視化させることができない。
候補が絞られたことも大切だが、その候補が重要だと感じる「子どもの理由や思い」も同じく大切である。
そのためには「思考過程が見える」ようにしなければならない。
例えば上記のようなピラミッドチャートでは、上に候補を上げた際、吹き出しを書かせ、その中に「理由や思い」を書かせる。
これだけで子どもの思考を可視化することができる。
要は、思考ツールのワークシートに「余白」を生むだけでよいのである。
その余白に、子どもの思考・思いを書かせることができる。
また思考ツールはワークシートで作業させるだけでなく、教師の板書でも生かすことができる。
思考ツールを使えば、構造的な板書を実現することができる。
しかし、思考ツールはあくまで手段の1つにすぎない。
思考ツールを使うことが、目的とならないように気を付けていきたい。
では。