#1906 なんでもありの道徳はダメ
「考え議論する道徳」が流行している。
ジレンマ教材を使い、二項対立のある話し合いを生起させることができる。
しかし、世の中には「善い道徳」と「悪い道徳」がある。
「考え議論する道徳」授業において、子どもたちの自由な発言を許容すると、「悪い道徳」さえも「OK」になってしまう危険性がある。
つまり、「なんでもあり」になってしまうのだ。
これは、道徳の授業としてはふさわしくない。
「授業」という営みは、事前と事後で子どもの中に何らかの向上的変容を保障するものである。
つまり、「何も変わらない」または「悪い方向に変容する」という結果は避けなければいけないのだ。
道徳の授業では、子どもたちに「善い道徳」を学ばせる必要がある。
「善い道徳」という方向性は同じにして、その在り方や深さを個々の子どもに委ねるイメージである。
だからこそ、「内容項目」という道徳的価値が扱われるのである。
その道徳的価値の目指す方向性に、子どもたちを向かわせる必要があるのだ。
しかし、その道徳的価値の在り方や深さは、子ども個々に違っていてよいのである。
悪い方向、正反対の方向にいかないようにしなければならない。
「なんでもあり」ではダメなのである。