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#597 認知的で倫理的で社会的な授業
アクティブラーニングとは、どのような学習方法なのだろうか?
アクティブラーニングとは、学習者である子どもが受動的となってしまう授業ではなく、能動的に学ぶことができるような授業を行う学習方法を指す。
子どもたちが能動的に学ぶことによって「認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る」(2012年8月中央教育審議会答申)学習方法である。
つまり、「認知的で倫理的で社会的な授業」と言い換えることができる。
そんな授業をすることは可能なのだろうか?
「認知的」とは、各教科の授業内容を理解することである。
授業には「各教科・単元・本時のねらい」がある。
それを踏まえて授業を行えば、認知的能力を育成することができる。
では、「倫理的」とは?
私は「一人も見捨てず、全員で目標を達成しようと努力すること」であると考える。
これが子どもたちの中で了解されていれば、授業は倫理的であるはずである。
そしてそこに向かうよう、子どもたちが協同すれば、倫理的能力を育成することができる。
では、「社会的」とは?
これは他者との対話・交流がある「コミュニケーションを中心とした」授業である。
これが実現できれば、社会的能力を育成することができる。
そしてアクティブラーニングとは、この「認知的」「倫理的」「社会的」側面を全て含んだ授業を言う。
授業において、学習内容を理解させ、倫理的に行動させ、コミュニケーションを求めることが重要なのである。
その3つを実現できれば、1時間の授業で「認知的能力」「倫理的能力」「社会的能力」を育成することができる。
なので、これまでの一斉指導のままでは、アクティブラーニングは実現できないのである。
「認知的能力」を育成することしかできないからだ。
対話や交流があれば、「社会的能力」も育成できるかもしれない。
しかし、「倫理的能力」までは育成できないだろう。
「一人も見捨てず、全員で目標を達成しようと努力すること」を全員が行わない限り、実現できないのである。
そこを意識した授業を考えるようにしたい。
ではなぜ、このようなアクティブラーニングが求められるのだろうか?
それは政府が求めている「社会人基礎力」になる。
その中の1つである「チームで働く力」がまさにこれに当たる。
これからの時代、チームで協同しながら働くことのできる人材が必要になる。
つまり、コミュニケーション能力である。
なので「認知的能力」だけでなく、「倫理的能力」「社会的能力」も求められるのだ。
これからの時代のアクティブラーニングは、授業のねらいを達成するだけでは不十分である。
同時に「倫理的能力」「社会的能力」も育成しなければならない。
それを教師が念頭に置いて、授業づくり、学級づくりをしていかなければならない。
このことを意識するようにしていきたい。
では。