#1373 「個別最適な学び」は不可能?
「個別最適な学び」が盛んにもてはやされている。
しかし、その主語は一体誰なのか?
教師やAIが、目の前の子どもに最適な学びを提供することではない。
それでは子どもは、教師やAIがいないと学びを進められない人間になってしまう。
それは本末転倒である。
では、子ども自身が最適な学びを見出せばよいのだろうか?
果たして、一体そのようなことは実現可能なのだろうか?
未熟な子どもが、自分にとって「最適な」学びなど導くことはできない。
そんなことができるのは、ごく限られたトップの子どもだけであるし、一体何をもって「最適」と判断するかも曖昧である。
以上のことをまとめると、教師もAIも子どもの「個別最適な学び」を保障することはナンセンスであるし、子ども自身も「個別最適な学び」を導くことは不可能なのである。
できることは、子ども自身が「最適な学びを模索し続けること」「最適な学びを追い求め続けること」である。
経産省から下りてきた「ビッグデータやAIありきの個別最適化」を鵜呑みにしてはいけない。
むしろAIは、子どもの自己調整を阻害してしまうのである。
重要なことは、子ども自身が「最適」を探究し続けることなのである。
このことを肝に銘じておきたい。
では。