#1782 低学年では「共通目標」をもたせる
学級目標をつくったあとは、それを踏まえて「個人目標」をつくらせることが多い。
学級目標に向かうため、個人で達成したい目標を「学習面」「生活面」「体力・健康面」に分けて書くのが一般的だろう。
しかし、このような個人目標を書かせても、それが機能することは稀である。
それが高学年の子どもなら、まだ「意識」できるかもしれない。
しかし、低学年のような未熟な子どもたちが、いくら個人目標を立てても、それを忘れてしまうし、それを意識しながら生活することなどできない。
ただ「書いて終わり」になってしまうのだ。
では、どうすればいいか?
それは、学級目標に向かうために、学級全体で目指したい「共通目標」を設定することである。
子どもたちと教師とで合意形成を図り、みんなで目指す「共通目標」を決めるのだ。
子どもがなかなか思いつかなければ、教師の願いを伝えてもよいだろう。
そのようにして、「共通目標」を設定し、全員で意識できるようにする。
私の学級では、
➀全員登校
②全員給食の完食
③全員仲良し
を「共通目標」にしている。
これからは、「授業と休み時間のメリハリ」も追加していきたい。
このような「共通目標」を、毎日の朝の会で確認する。
これにより、全員と目標を共有し、それを「意識」させることができる。
そして、教育活動中も目標を意識した「声かけ」をしていく。
帰りの会には、目標が達成できたかを挙手制で確認する。
このとき、「全員達成」ができたら、学級全体に「スタンプ」をあげる。
Canvaのカレンダーにスタンプ画像をつけていく実践である。
※「デジタルスタンプ実践」は、難波駿氏の追試である。
外発的動機づけと少しの同調圧力を利用し、「共通目標」を達成させていくのだ。
しかし、注意事項もある。
「全員達成」がスタンプをもらえる条件なので、一人でも挙手しないときはもらえない。
そのときに、「達成できなかったその子をみんなで責めない」ことを約束している。
「正直に反省できてすごい」
「次は達成できるようにしよう」
と励ますようにしている。
こうやって、達成させたい目標を毎日意識させ、「身体化」させるのである。
低学年はこのような取組が一番しっくりくる。
もちろん、これは中学年以降でも実践できるだろう。
しかし、「個人目標」の意識づけはなかなか「合わない」と感じているところだ。
私はこれからも、子どもたちに達成させたい「共通目標」を設定し、それらを意識させ、学級目標に近づけるようにしていきたい。