#652 拡散的思考と集中的思考
世の中には「正解がない問題」と「正解がある問題」がある。
前者に対しては、納得解を導き、後者に対しては、正解(唯一解)を導くことが求められる。
そして、それぞれに求められる思考の方法も区別される。
「正解がない問題」の場合は、様々なケースを考えたり、関係性を整理したり、創造性を発揮したりする「拡散的思考」が必要になる。
「拡散的思考」を発揮すれば、多数の有意義な解答を導き出すことができる。
そして、「収束的思考」を発揮し、自分なりの納得解を導くことができる。
もちろん、「正解がない」ので、全ての解における多様性が尊重されなければならない。
一方、「正解がある問題」の場合、速く正確に正解に辿り着くことが求められる。
そのときには、1つの物事に集中し、スピーディーに解決する「集中的思考」が必要となる。
そして、「集中的思考」を発揮すれば、「正解がある問題」をどんどん解決していくことができる。
学校教育では、以上のような「拡散的思考」と「集中的思考」を、両方育成していくことが重要だ。
どちらかに偏ることのないよう、バランス良く育成することを心がけたい。
しかし世の中の変化を見ると、「正解がない問題」の重要性が増してきているので、「拡散的思考」をより重視するという考えも必要だ。
大切なのは、教師自身が、子どもの解決すべき課題が「正解がない問題」なのか、「正解がある問題」なのかを把握しておくことだ。
そして、育成すべき力は「拡散的思考」なのか、「集中的思考」なのかを自覚しておくことだ。
そうすれば、授業の内容、進め方も変わってくるだろう。
ぜひ、このことを念頭に置いて、授業をつくっていきたい。
では。