#1904 具体と抽象、自己と価値を往還する道徳授業
道徳授業では、「具体-抽象-具体」という学習過程を重視したい。
まずは、「教材で扱われる場面」という具体である。
しかし、教材場面だけで考えても、自分たちの生活場面に学びを転用させることができない。
そこで一度、「抽象化」の過程を経る必要がある。
具体的な教材場面から離れて、道徳的価値について抽象化させる。
そして、別のより身近な具体的な生活場面を想定させる。
これにより、道徳的な行為を現実の生活場面でも転用させる可能性を上げることができるのだ。
このような「具体-抽象-具体」というステップを重視するのである。
次に、「自己-価値-自己」という学習過程も重要である。
まずは、道徳的価値に関する「テーマ」について教師が発問をする。
このとき、子どもたちは、そのテーマについて「自己」に関する意見を話すことになる。
そして、いよいよ「教材」が登場する。
このときに、道徳的な「価値」について子どもたちは考える。
しかし、それはあくまでも教材の中にある「価値」にすぎない。
教材ばかりで考えても、国語科と同じになってしまう。
自己に近づけて考えさせるために、「あなたはどうか?」「あなたならどうするか?」「あなたはどう思うか?」という発問をする。
これにより、教材を離れて、再度「自己」について深く考えることができる。
このように、「自己-価値-自己」というステップも重要なのである。
これからは、
「具体-抽象-具体」「自己-価値-自己」
という学習過程をそれぞれ重視していきたい。