#58 自己調整学習
今日は自己調整学習について。
新しい学習指導要領では子どもに獲得させる資質能力の1つとして、「学びに向かう力・人間性」が挙げられた。
「学びに向かう力・人間性」は大きく2つに分けられ、「粘り強く学習に取り組む態度」と「自らの学習を調節する態度」がある。
後者の態度を養うために「自己調整学習」が必要になる。
ではそれは一体、どんな学習のことを指すか。
「自己調整学習」には3つのポイントと3つの流れがある。
まずは3つのポイントから。
1つ目のポイントは「動機づけ」である。自らの学習に対せる動機づけ、つまりモチベーションをもつことである。それは外発的動機づけよりも、内発的動機づけのほうがふさわしい。とにかく、学習に対して「なぜこの学習をするのか」と、自分自身と対話をすることが大切である。この能力を子どもにつけさせたい。
2つ目のポイントは「学習方略」である。どうやってその学習を進めていくのか自分で選択する。紙に書くのか、暗記するのか、音読するのか、誰かに伝えるのか、などなど。自分が効率よく学習を進める方法を考え、実行に移す。また「やる気がないときは、お菓子を食べてから」「集中するために音楽をかけながら」など、情意面をカバーするための方略も含まれる。自分なりの学習方略を身につける能力をもてば、大人になってからも通用するのである。
3つ目のポイントは「メタ認知」である。自分自身の学習の理解度、進度、意欲などについて、自分自身で振り返ることのできる能力である。学習が順調だったらそれを続け、うまくいっていないときは分析し、改善をはかる。この作業には自分を俯瞰的に見る「メタ認知」が欠かせないのである。
次に3つの流れを示す。
まずは「予見」である。学習の前に自分はどのような動機づけで学習をするのか、どのような学習方略を使うのか、どのような学習をしていくのかについて、前もって考え、計画を立てる。
次に「遂行」。学習を実際に進める。このとき「メタ認知」を使い、自分の学習を自己モニタリングする。そして適宜、学習の流れをコントロールしていく。
最後に「自己省察」。いわば「振り返り」である。自分の学習がどうだったか省察する。なぜうまくいったのか、なぜうまくいかなかったのか分析し、さらに次の「予見」につなげる。
ここまでが「自己調整学習」である。これは学校の授業でも実践することができるし、子どもの家庭学習でも実践させることができる。
「主体的な学習」を展開するためにも「自己調整学習」は欠かせない。常に実践していきたい。では。
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