#1510 授業を研ぐために
今回は、渡辺道治先生の著作『授業を研ぐ』から得た学びを整理していきたい。
1 一貫性のある問いと充実したコンテンツ
授業を構成するためには、子どもたちに投げかける発問・問いを精選する必要がある。
それも一回だけではなく、授業を通して何度も投げかけることが重要だ。
その意味でも、問いはオープンエンドなものでなければならない。
そのような一貫性のある問いを授業の骨格にする。
そして、それに見合う教材・コンテンツを見つけ、充実させていく。
子どもたちが飽きないように、惹き付けられるように、思考が深まるように教材を配置するのである。
2 「つけたい力」よりも「最終的な子どもの姿」を思い描く
授業には「目標」つまり「つけたい力」がある。
しかし、それだけを見据えてしまうと、その狭い範囲からはみ出す形で現れる「子どもの自然な変化や成長」が生まれなくなってしまう。
なので、「授業における最終的な子どもの姿」をイメージすることが重要となる。
その姿に向けて、授業のシナリオをつくったり、細かい要所を磨いていったりするのである。
それにより、最終的な子どもの姿が見られれば、結果的に「つけたい力」は子どもについているのである。
3 自由思考と刹那の対応
授業では、教師の発問により、子どもに自由思考の時間を保障するようにする。
これにより、お固い授業を柔らかくすることができる。
そして、子どもたちに自由思考を許したのであれば、それを発表してもらい、教師はそれを楽しむ姿勢が求められる。
「ハプニング性を楽しめる心構え」をもち、それぞれの発表に応じた個性的な反応をするのである。
そのような「刹那の対応」を楽しむ姿勢が重要となる。
4 OTRとBSP
教師中心の一斉授業では、以下の2つの指導言により、授業が流れていく。
➀子ども全員に対する活動を伴う指示(OTR)
②子ども(個人)に対する具体的な行動に対するポジティブフィードバック(BSP)
以上の2つの指導言を、緩急をつけながら織り交ぜていく。
➀のときには、簡潔に言い切る。
②のときには、子どもの名前を呼びながら、その子どものパーソナリティに合うほめ言葉を使う。
これにより、授業に「静と動」が生まれ、テンポやリズム感のある授業になっていくのだ。
以上、渡辺道治先生の『授業を研ぐ』から得られた知見を整理した。
これらの学びは、授業参観や公開授業などの「一斉授業」で役立てることができるだろう。
学校では「個別最適な学び」だけではなく、「一斉授業」もときには求められる。
そんなときに、この学びを生かすようにしていきたい。
では。
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