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日本神話について
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みなさま、こんにちは。
創作系寺嫁、ゆかでございます。
本日の話題は、「日本神話について」です。
みなさま、日本神話ってどんなの?と聞かれたら、答えることができますか?
アマテラスがいて、スサノオがいて、剣とかが出てきて、
神社に祀られている神様のお話で……???
あまりよく分かりませんよね。
巷に売られている「日本神話」と題された本を読んでみると、大体イザナギとイザナミという男女の神様が、天から降りてきて日本の国土を生み出すところから始まります。
そこから話が展開し、神様が生まれ、生まれた神様に視点が移り、次々とユニークな神様たちの話が繰り広げられます。
では、そもそも日本神話はどうやって伝わって来たものなのでしょうか?
高校までの勉強を、熱心にやっておられた方は、おそらく『古事記』や『日本書紀』に書かれていると言われるのではないでしょうか。
歴史が好きだった方は、地方に根差した神話は『風土記』に掲載されていた、ともお答えになるかもしれません。
確かに、『古事記』にも『日本書紀』にも、神話が書かれています。
が、『古事記』に書かれた神話は、全体の三分の一から半分程度。
『日本書紀』に至っては最初のごく一部のみにしか載っていません。
『古事記』にある神話は、ひとつの流れのあるお話がダイジェストになっていますが、
『日本書紀』にある神話は、そのほとんどが箇条書きで、
こんなふうに言われている。更には類似のもので、こんな風にも言われている。また更に、こんな風にも言われている。
といったような書き方がされていて、『日本書紀』の神話として一本化した話ではありません。
さらには、この『古事記』と『日本書紀』。
研究者の用語では、この二つの書物の神話をまとめて「記紀神話」というのです。
つまり、このふたつの神話をまとめたものが「日本神話」ではない、と言うことになります。
実は、現在に伝わっている「日本神話」は、もちろん源流は『古事記』や『日本書紀』にありますが、
地方に伝わっている伝承や、後世において時流を鑑みた付け足しを加えたもの、貴族の思惑などによって誇大解釈をされたものなどが、
中世・近世において、再度「昔の日本の神話を研究しよう!」という風潮が高まった時に、当時の価値観によって取捨選択されて、
まとめられたものが、明治時代までに伝わり、
さらに、明治時代から戦中・戦後にかけて、為政者の都合の良い神話だけを特に国民に学ばせたり、都合の良い内容になるよう解釈や記述を書き換えたりしたものなのです。
それもそれで歴史の流れのひとつですから、
研究をする上では取り扱いがやっかいなところがありますが、
日常生活を過ごす分にはなんの問題もありません。
好きなゲームでスサノオが出て来たり、ヤマタノオロチを退治したりした小学生が、
少し興味を持って、神話でも読んでみようかな、と言う分には、
むしろ、現代人にも分かりやすくなった部分もあって、読みやすくなったのではないかと思います。
私みたいな、神話好きが高じて『古事記』の研究をしようかな、なんて思った人間は、いざ純然たる『古事記』を読んでみて、
「あれっ? あの本で読んだあの話、全然出てこないじゃん!!」と驚くことになりますが、
それは趣味と研究の境を越えたものの宿命のようなものですので、
もしもこれから歴史を研究したいと思っている人がいれば、そういった一般常識とのギャップは、楽しんでいただければと思います。
そういうギャップは、案外、研究あるあるですので。
さて、それならば「日本神話」ではなく、「記紀神話」であれば、
同じ時代に書かれた『古事記』と『日本書紀』なのだから、そうそう混乱することもないだろう……だなんて思われたかもしれませんが、
これがまた驚くほどに共通点がない!!
よく、『古事記』は国内向け、『日本書紀』は外国(中国)向けに書かれたのだと言われますが、
たかだかその程度で、同時代に書かれた書物の方向性やら書き方やらがここまで変わるものかと驚きます。
まず、『古事記』は、基本的に和語で書かれています。それに対して、『日本書紀』は漢語です。漢語は古代中国語です。
雰囲気がまるで違うのがお分かりになるかと思います。
面白いのは、神様の漢字も違います。
『古事記』では、(建速)須佐之男命と書かれますが、『日本書紀』は素戔嗚尊です。
基本的に、『古事記』では、
ヒメは、『比売』。ヒコは『比古』。ミコトは『命』ですが、
『日本書紀』では、それぞれ、『姫・媛』『彦』『尊』です。
日本神話を集めた雑誌の特集などですと、神様の表記からして、『古事記』に使われている漢字と『日本書紀』に使われている漢字が混ざって使用されていることがあります。
編集のプロでも、よく分からないまま原稿を書いたんだな、と日本神話の難しさがうかがえますね。
このように、日本神話と一言で言っても、さまざまな要素が絡みついていて、大変難しいのです。
書いていても大変難しいですね。
今回はこの辺にいたします。
ともみさんは、興味深いと言いますので、また折に触れて少しずつ、面白いネタを書いていきたいと思います。