撮影こぼれ話。(遠方ロケに行って撮影しなかった話。)
4年前のある女性との出会いの話。
●海なし県の人たちが海に行った
●アクシデント
●お魚市場
●思いもよらない再会
●海なし県の人たちが海に行った
自主制作映画がきっかけで仲良くなった友人と短編映画をつくることになった。
友人が監督で私はカメラマン。
キャストは少し個性的な男性と、シニア男性、そして友人が連れてきた若い女性。
真夜中に男性が一人でドライブをしていたら老人が飛び出してくる。最後に何故か貝の女神かなんだか、とにかくよくわからないお話だった。
友人がどうしても海で撮影したいという。
そう、私達は海なしの岐阜に住んでいるのだ。
帰りにお魚市場に寄る楽しみもあるし、遠方でもみんなでいけば楽しいはず、と日本海へ向かった。
アクシデント
到着して間もなく小雨がパラついたので車で待機することに。
その時シニア男性が
「すみません、急に手に力が入らなくなりました」
話を聞くと前日に窓掃除を真剣にやったとのこと。
嫌な予感がよぎる。
私は両親が脳梗塞だったが、二人とも初期対応が良く後遺症が少し残るも現在とても元気にしている。素人判断は危険なので監督に撮影を中止するよう訴えた。
「えー!単なる窓掃除のやりすぎですよ~」
個性的な男性がKYなのは知っていたが、役者として適していると思い連れてきた。やっぱりKYだった。
さんざん説得し、近くの総合病院へ向かう。検査にかなり時間を要するため、KY男はずっと文句を言っていた。
「お魚市場行きたい~」
もはやKYのプロである。
お魚市場
友人が病院に残るから、お魚市場行って来なよと気をきかせてくれた。仕方なく行ったが心配で全く楽しくない。KY男は楽しいよね~って言っていた。
心配だったのは、他のメンバーとは初対面の女性。
彼女は文句を一言も言わず、ずっと病院にいてくれたしお魚市場にもついてきてくれた。
私があまり楽しくしてないのも申し訳なくなってきた。
撮影に協力してと頼まれて、よくわからないまま連れてこられたのに終始女神のようであった。
思いもよらない再会
私は岐阜県美術館の撮影を頼まれていた。
現代美術家の日比野克彦さんが館長に就任するという事で、何か起こるかもしれないと予測されていた。その時の映像を一定期間、美術館で上映していただいていた。
美術館にいたら偶然、シニア男性に再会。彼は美術館好き。定期的な検査は必要だがお元気になられたとの事であった。
「あちらで流れてた映像見たらあなたの名前があるじゃないですか~嬉しいね~」
嬉しいのはこちらである。
そしてさらに月日は流れ、岐阜県美術館を題材にした四コマ漫画がTwitterでバズった話を耳にする。
友人にそのことを話すと
「あのマンガ描いた人、撮影出来なかったロケに一緒に行った人!」
えええ。
あの女神のような女性が「ミュージアムの女」作者の宇佐江みつこさんであった。
そんな出会いから、私は「ミュージアムの女」を応援し続けている。
ミュージアムの女(無料pixiv)
https://comic.pixiv.net/works/3405
ミュージアムの女 https://www.amazon.co.jp/dp/404069452X/ref=cm_sw_r_cp_apa_i_Rs1ADbE0HSPB8
2017年に制作、2018年にロシア語Ver.を発表した実写作品。
※2枚目は映像が流れます。
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