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アート独り言。(KYOTO GRAPHIE京都国際写真祭2023 松村和彦 心の糸)
パラレルワールドを抜け出し、次の会場へ。電車ではなく、歩くことに。Google mapの徒歩13分を信じることにした。
快晴でとても暑い。
それでも、京都を散策するのは楽しい。
思っていたより早く八竹庵に到着。この会場は単館チケットはなく無料で見られる。
建物や作品を傷付けないよう、大きな荷物の預かりサービスもあった。
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2階に進むとすりガラスのようなものに、ミシンが透けて見える。
上にはタイトル「心の糸」があり、糸が繋げられていた。
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わたしは認知症の世界に入っていった。
この作品は写真記者でもある松村さんが、認知症の本人・家族・周囲の人々に取材を重ねて撮られている。
認知症の世界を体験するような空間構成という事前知識のみ、少しずつ進んでいった。
タイトルの「心の糸」は、認知症を発症した妻から「お父さん」と言われ父とみなされたときに、妻との心の糸が切れてしまった、というところから来ている。
心の糸が切れる。
切ない。
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テーブルには夫婦の会話が投影されている。何気ない会話だが、切なくなる。
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魚屋で働いていたけど盛り付けがわからなくなったエビ。
デジタルフォトフレームに収められた夫婦の写真はフェードアウトしていく。
「心が切れた瞬間」
優しく、悲しく、切なく、展示されていた。
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認知症の理解を深めようと思えば思うほど胸が苦しくなる。
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長い紙に印刷された写真と言葉たち。
私の大切な記憶も、いつかは消えてしまうのだろうか。
作品は、入口にあった細い糸で繋げられている。大丈夫、まだ切れてない。
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自分の最後は、大切な人にありがとうと言えるだろうか。
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女性が縁側でくつろいでいた。1万歩を超え、お昼ご飯も食べられず、やや疲れたので私もくつろいだ。
他の会場写真も見られるようになっていたので少し欲が出てしまったが、これ以上のインプットは危険だと思い、亀のように歩きながら駅に向かった。
京都土産は近所で完売していたヒカキンのラーメンにした。京都感ゼロ。
終わり
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アート独り言。(KYOTO GRAPHIE京都国際写真祭2023 高木由利子 パラレル・ワールド)|TERAMAKI