みんな違って大変だ。多様性を受け入れるためには上手に衝突をしよう
社会でも職場でも、多様性(ダイバーシティ)が重要だと近年言われてきているけれども、じゃあ実際に多様化したらどんな問題が起こって、その解決には何をしたらいいのかな?ということを簡単にまとめました。
なぜ多様性が重要なのか
一言にまとめるのであれば、画一化している集団では盲点が発生してしまいその弱点により大ダメージを伴う失敗をしやすいから。これは、遺伝子が似通った生物が同じ病気でやられてしまうことと同じようなものだと考えたら良いと思う。
実際、CIAが画一化されたチームを組んでいたために9.11のテロ攻撃を防げなかったと近年は考えられており、多様化に向けてCIAが必死に変化していこうとしている話は多様化の必要性を考える上でとても参考になる。
多様になるとコンフリクトが増加する
多様化が進むと、従来の画一化集団では常識だと思っていたことが常識ではなくなる。つまり、前提や共通認識だと思っていたことが崩れてしまうため、共通認識の再構築に大変苦戦することになる。具体的にいうと、様々な部分で価値観のコンフリクト(衝突)が増える。
多様化というと、金子みすずの「みんなちがって、みんないい」を思い出すかもしれないが、それは最初のステップに過ぎず、違いを認めるだけでは問題は解決しない。違いをどう互いに認識していき、集団の意思決定としてまとめあげていくのかという大変な部分から目を背けてはいけない。
そういう、わかりあえないことに絶望せずに、少しずつ進んでいこうよ、ということを書いているのがこちらの新書だ。
本書で特に面白かったのが、あえて空気を読まないことで認識を合わせていくべきだという部分だった。
例えば、子供が
「ケーキ」
とだけ言った場合に
「ケーキ?ケーキ食べたいのかな?はい、どうぞー!」
とサービス精神いっぱいに大人が空気を読んで行動してしまうと、子供はいつまでも文章で自分の望むことを表現できるようにならない。不便を感じることでコミュニケーション能力は発達するためだ。
むやみに協調しない人の方が、最終的には良い関係を築ける可能性がある
論語ではこんな言葉がある。
「優れた人物は協調をするが、主体性を失わずにむやみやたらと同調したりしない。つまらない人物はたやすく同調をするが、心から親しくなることはない」という意味だ。とりあえず相手を適当に肯定しておいて、実は全く心の距離は近くなっていないという人も実際いると思う。
コンフリクトを解消するコツは、共通目的を見つけ出すこと
コンフリクトを解消するコツはいくつかあるが、一番大切なのは共通目的を見つけ出すことだ。そのために、大切な交渉に臨む前には、事前に相手の主張やその背景にあることを推測して整理しておくと冷静に交渉を進めやすい。
相手が本当は何を必要としているのか?どのような背景があるからそれを必要としているのか?うまく想像が進まない場合は自分だけで考えず、別の人にも相談して視野を広げた上で検討するとブレイクスルーが得られることも多い。
こういうケースは交渉の余地はない!
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?