スペインで受ける英語の試験(目指せ大学院6)
「ケンブリッジ英検の資格証明書を提出してください」
春の行き当たりばったりの大学院受験では、結果とともにそんなメッセージが書いてあった。
大学院受験に際し、必須言語としてスペイン語のある程度のレベルを証明する必要があった。そのため、昨年秋にスペイン語の試験を受けた。
しかし、応募する学部によっては、英語の資格証明書も必要とある。
そんなことは聞いていない。
6月の本格応募に向けて、英語試験を受けるかどうか。
3月の私は考えた。
6月末の応募までに結果が出ている必要がある。そうなると、一番遅い受験日は5月の頭。3月からの準備期間は2カ月弱だ。
昨年秋のスペイン語試験で走り切った私は、このあたりで一旦なかったことにしたくなった。
しかし、翌日になって考え直した。
同志はきっといるはずだ。
大人になって「よし、今からいっちょ学校に行こう」と考えたものの、応募にあたっての「なんやこれ、聞いてないぞ」というもどかしさやいろんな意味での時差やら戸惑いを感じているかもしれない昭和生まれの人たちが。
そんな彼らを想像して、自分の気持ちを奮い立たせる。
ここは同じ昭和生まれの一員として、投げ出すわけにはいかない。
◆
そうはいってもケンブリッジ英検とやらが何か知らない。
私が興味を持っていた学部は、B1という級の証明書が必要だった。
まずは過去問か何かを手に入れる必要がある。
夫に受験する旨を話した。
「確か、ケンブリッジ英検は受験料がとても高いと聞きました。200ユーロぐらい払うんですから、せめてC1を受けた方がいいと思います」
よくよく調べてみると、C1が英検1級、C2がそれより上のようだった。
ずいぶんと適当に言ってくれるじゃないか。
・受験料200ユーロぐらい
・準備期間2カ月弱
・受験機会1回
・20年ぶり英語の試験
これら4つの要素を鑑みてB1を受けたい気持ちが高まった。
ただ、大学院の学費は800ユーロ。これに対して英語の試験は約200ユーロ。つまり、学費の1/4。私にとっては大金だ。
同じお金を払うなら、もう少し上の級を受けた方がいいのかもしれない。
そうはいっても時間的にも金銭的にも1回しか受けられない。そして、大金200ユーロ払っても、合格しなければ提出できる英語の証明書はない。
これは言ってみればギャンブルだ。
ああでもないこうでもないと2週間ぐらい考えてみた後、私はいちかばちかの大博打を打つことにした。
C1に申し込んだ。
後ほど後悔することも知らずに。
3月の私はあまり深く考えていない。
◆
さあ、まずはこの試験の形式を理解しなければならない。
仕事の合間に過去問を解くことにした。
最初に模擬試験をやってみてわかったことは、これまで受けた英語の試験で一番難しいと感じたことだった(あくまでも個人的な感想です)。
読解とリスニングには記述式の箇所があり、大文字で書けとある。なんだこれは。ライティングはエッセイのほかに、手紙、提案書、報告書、書評、批評の中から選んで書くものがあった。これらの形式にも慣れないといけない。スピーキングはパートナーとディスカッションや交渉を行うとある。パートナー?
これはもはや英語の試験というよりも、英語を使ったうえでの思考力、交渉力、論理力が問われる試験のように思えた。
「いかにもイギリス人が好きそうな試験じゃないですか」
夫が笑う。
そうなると、逆に何をしていいかわからなくなった。
しばらく、なかったことにしようと思い、仕事に集中した。
その後、ポルトガルに行ったり、現実逃避をしたりしていた。
◆
気が付けば4月になろうとしていた。
さすがにまずい。
慌てて過去問を何セットもやり、せめて形式だけにでも慣れておこうとした。
そして、付け焼刃の試験対策とはこのことかという状態で受験日である5月6日を迎えることになった。
日本語クラスの学生さんたちには、試験前だけでなく普段から復習しておけとあれほど言っているくせに、自分はどうだろう。
◆
以下、自分の振り返りのために、スペインで英語試験を受けた日のことを記しておく。
朝、5時半起床。
朝食を済ませ、前日に準備した持ち物を再確認する。
最後の1本となった日本から持ってきた栄養ドリンクとSOYJOYをカバンに忍ばせる。紅茶も水筒に入れた。
今回の受験地は遠いため、レンタカーで向かう。
さあ、一日がかりの受験の始まりだ。
朝9時前、受験会場である学校の前には、たくさんのスペイン人がいる。
水の入ったボトルのほかに、ペンと鉛筆を入れたジップロックしか持っていない人もいた。近所の人なのだろう。
学校に入ろうとすると、部屋はわかるかと担当者に聞かれた。
わからないと言うと、受験番号で確認するようにという。
「ああ、Aの部屋です。ありがとうございます」
「Dですよ」
「いえ、Aです」
「それは、違う級です」
受験番号が全く同じで、級が違う、なんてことがあるのか。
全然違う部屋に行くところだった。
「あなたが唐草?」
2階の部屋に入るやいなや、試験監督が話しかけてきた。
こんなところで英語の試験を受ける日本人は私ぐらいなのだろう。
VIP待遇で席まで案内してもらった。
ところで、ケンブリッジ英検では腕時計の持ち込みが禁止されていた。
日本語クラスの学生さんからその情報を得た私は、1週間ほど前に試験会場運営側にメールを送っていた。目が悪く壁の時計が見えないため、もし可能であれば前の方の席に座らせてもらえるとありがたいと。
「連絡ありがとう。当日はそのようにしますので!」
そんな返事が来て安心していたのだが、この日案内された席は一番後ろだった。
これもアンダルシアマジックだろうか!
案内された座席を見た瞬間、笑いがこみあげてきた。
スペインだなあ。
既に私の受験番号も机に貼ってある。
諦めて最後列の席に座る。
これはもう勘で時間を探るしかない。
「あなた、スペイン語勉強してた?」
試験監督が話しかけてくる。
聞けば、スペイン語の学校で私を見かけたことがあるという。名前をアナといった。
「ええ、そうなんです。秋にスペイン語の試験を受けたばかりです」
「あらそう!ところで、今日の試験の説明、全部スペイン語でやっていいわよね」
今日はスペイン語じゃなくて英語の試験だ。日本語ネイティブの私がスペイン語で説明を聞きながら英語の試験を落ち着いて受けられるとは思えない。
「いえ、今日は、今日はどうか英語でお願いいたします…!」
「ええ!どうしよう。そんなの私にできるかしら」
アナはいまひとつ乗り気ではなさそうだ。
「大丈夫です、あなたは今英語で話していらっしゃいます!」
「しょうがないわね、やってみるわ!」
アナがなんとか納得してくれたようでほっとした。
最初は読解の試験からだ。
アナは英語で説明を始めた。彼女が手に持っている指示要綱を読み上げる形のようだ。ほっとしていると、途中から説明がだんだんスペイン語になってきた。気が付いたら全部スペイン語に変わっている。ほかの学生さんたちが、心配そうに私の方をちらちらと見る。受験会場番号はこれだ、自分の受験番号をここに書け、何分経ったら離席してもよい、しかし試験終了何分前からは部屋を出られないといったようなことをスペイン語で話している。
「唐草、大丈夫よね!」
説明を終えたアナが私に聞いた。
大丈夫もなにもない。
英語の試験直前に第三外国語のスペイン語でひととおりの説明を受けた私は、頭がすっかりスペイン語になった状態だ。
予期せぬスペイン語での説明にぼーっとしていたせいだろうか。
変な声を出したらしい私を見て、アナがやってきた。
案の定、受験会場番号と受験番号を逆に書いていたようだ。
アナが新しい問題用紙をくれた。
「グッドラック!」
前の席に座っていた学生が、振り向いて言ってくれた。
200ユーロ払ったのだ。
やるしかない。
◆
読解試験が始まって15分ぐらい経過した。
くらくらしてきた。
どうしたんだろう。貧血気味だろうか。
そういえば、一番後ろの座席になったことと、スペイン語での説明に気をとられていて、日本から持ってきたSOYJOYを食べていない。
目の前が揺れている。慌てて机の両端をつかみ椅子から落ちまいとする。
数回この状況に陥り、気が付けば、見直しもほとんどできないまま読解試験が終わっていた。
私の200ユーロが!
泣いていても仕方がない。
まだ試験は終わっていないじゃないか。
休憩時間中、栄養ドリンクを慌てて口にし、SOYJOYを一気に食べる。
次はライティングだ。
アナはもう全部スペイン語で説明することにしたらしい。
私も諦めた。
エッセイと報告書の2つを書くことにした。
栄養ドリンクとSOYJOYのおかげか、ふらふらがなくなった。
文字数が規定より少し足りなかったような気はしたが、盛り込むべき内容を盛り込み、まあまあかしこそうな文章にはできた気がする。
次はリスニングだ。
午前の部が9時すぎから午後1時半までと長い。夕方まで体力が持つだろうか。学校の木の机と椅子が昭和生まれには少々きつい。
試験が始まる前に配られたヘッドフォンを目にして驚く。
そうか、ケンブリッジ英検では1人ずつヘッドフォンをつけるのか!スペイン語の試験とは違うんだなあと妙なところで感心する。音声チェックの時間があり、どこどこのボタンを押して電源を入れ、その後何色のボタンがついているか確認しろと言っている。
スペイン語で。
初めて見る大きなヘッドフォンにちょっとどきどきし、私の前に誰がつけていたのかなあと、余計なことを考えてしまったため、違う意味でもどきどきし、なかなか装着できない。ひとまず、エア装着で音声を確認してみた。
隣の隣の学生さんがこちらを見ている。
アナがやってきた。
「唐草、あなたが聴いているのは違う級の試験よ!ヘッドフォンから出ている色が違うじゃないの!」
もうめちゃくちゃだ。
どうやらヘッドフォンから出る色で、どの級の音声を聴いているかがわかるらしかった。
音声チェック後、覚悟を決めてヘッドフォンをつけた。
◆
毎回心配そうに見に来ていたアナが解答用紙を回収しながら聞く。
「どうだった?」
「とりあえず終わりました。スペイン語、もっとがんばりますから!今日はサポートをありがとうございました!」
「じゃあよかったわ!そのいきよ!少しずつやりなさい!」
なぜかスペイン語をがんばる話をして出てきてしまった。
最後のスピーキングは午後4時過ぎからだ。
2時間ほど時間がある。
昼食を済ませ2階の受付に行く。
貴重品を預け、スピーキング試験でペアとなる人が来るのを待つ。
しばらくすると、のそのそとこちらへやってくる男性がいる。
Tシャツに7分丈のパンツ。
20代ぐらいだろうか。
どうやらこの男性が私のパートナーらしい。
「はじめまして!唐草です」
「えっと、僕はセルヒオです。〇×◆★〇」
スペイン語のアクセントが強めの英語だ。このとき、最後が聞き取れなかった。
一緒に待機室に向かう。
「なんだか緊張しますね。準備はできていますか」
「うん。準備はしてきたつもり。ただ、この待っている時間が一番嫌だなあ」
お互いに何となく話し始めた。
彼が最後にケンブリッジ英検を受けたのは4年前のようだ。今回久しぶりの受験らしい。ぽつぽつと話す姿が真面目でいい人そうだ。
途中、ほかの受験生も入ってきて、セルヒオにスペイン語で質問する。
「僕たちは次だよ。さっき前の人たちが入っていったから、もうすぐ僕たちだと思う。そう、僕たちもさっき着いたばかりだよ」
セルヒオは、さっきからずっと複数形で話をしている。「僕」じゃなくて、「僕たち」。私が会話に参加していなくても、こうやって複数形にすることで私を話の中にさりげなく入れてくれているところが嬉しかった。
よし、この人となら大丈夫だ。
私たちの名前が呼ばれた。
かなりの大股で歩く担当者に着いていこうと、いそいそと歩いていたセルヒオだったが、何度も振り返って私がちゃんとすぐ後ろにいるか確かめている。
優しい人だなあ。
「がんばりましょうね!」
「うん!」
話しているうちに、お互いの話し方にも慣れてきた。
廊下で待っていると、私たちの名前が呼ばれた。
ノックをして、部屋に入る。
◆
部屋の中には、試験官と採点官の2人が座っている。
イギリスの方たちだろう。
スペイン語の試験とはまた違う雰囲気にのまれそうになりながらも、深呼吸して椅子に座る。
「イギリス人を笑わせてきたらいいと思います」
今朝、そんなアドバイスを夫からもらった。そんなんでいいのだろうかと思いながら、試験官たちの顔を見ると、大変厳しい表情だ。
ふざけてはいけないことは十分に伝わった。
最初、セルヒオも私も少し緊張していたように思う。
セルヒオは激しく貧乏ゆすりをしており、それを見た私もつられて最初どもってしまったから。
この試験では、普通に話しているだけでは合格しないと聞いた。論理的な話の展開、交渉、相手を真っ向から否定せずに自分の意見もうまいこと主張するなど、英語というよりも、「仕事ができる大人、人間力の高い人」に見せる必要がある試験だと私は勝手に妄想した。かつ、C1らしい言葉の使い方も必要となるらしい。
と書いてみるものの、ちょっとよくわからなかったのと、準備期間があまりなかったため、スピーキングはとりあえずイメージ戦略中心でいくことにした。4月からNETFLIXで"The Crown"と"Downton Abbey"を集中的に見て、当日は"Downton Abbey"のメアリーをイメージしていくことに決めた。
ジーンズとパーカーだろうが、もみあげが少々横向きに生えていようが、今日の私はメアリーだ。
◆
細かいことは覚えていないが、途中私はナショナルジオグラフィックがどうとかパパラッチがどうとかよくわからない話をした記憶がある。ときどき、なんでそんなことを聞くのだということを聞かれるので、こちらもなんでそんな答えになるのやということを話してしまう。試験官は目を丸くしていたが、採点官が下を向いて笑っていたのが救いだった。
メアリー作戦でいくことにした私は、最初こそちょっと低音で鼻にかかるような声で話していたが、ナショナルジオグラフィックがどうとかいうくだりで、メアリーはこんなこと言わないよなと思ったら、ただの私に戻ってしまった。そのあたりから、メアリーはどこかへいってしまい、二度と帰ってこなかった。
また、普段あまり使わないような表現を少し入れようとしたせいか、deから始まる頭のよさそうな単語を言うときに噛んでしまう。デ!デ!デ!と3回言ってしまった。かっこ悪いし全然メアリーじゃない。自分でもおかしくなった。
セルヒオとのディスカッションは、うまくいったように思う。途中、話がスペインの教育問題に移り、私が外国人の立場として話し出すと、試験官たちが声を出して笑い始めた。セルヒオも笑っている。よかった。そこからは、活発な議論が進んだ。気が付いたら、セルヒオも私も身を乗り出して話していた。
隣を見ると、セルヒオの貧乏ゆすりはいつの間にか止まっていた。
「私、あなたがパートナーでよかった!ありがとう!」
「僕も!ありがとう!楽しかったよ!」
隣の隣の町から来たセルヒオは、僕の町も小さいけどいいとこだよ、よかったら来てね、と言って笑った。
学校の出口がわからずに2人で迷い、お互いの健闘を称えあった後、門の前で握手をして別れた。
スペイン語のスピーキング試験は1人で行うものだったが、今回の試験はペアを組む。ペアが誰かによってもディスカッションのやり方や流れも大きく変わるだろう。自分だけが話してもいけない。学生のとき、大学の先生に連れていかれたトーストマスターズをふと思い出した。セルヒオと組めて本当によかった。
読解は別として、そのほかのパートはまずまずのできだった。スピーキングは、試験官を笑わせるという点では5回ほど笑い声を聞くことができた。そういう意味ではよかったと思う。
そんな感触で、1日がかりの試験が終わった。
翌日は、めったに食べないハンバーガーを食べた。
◆
先週、結果が届いた。
ウェブサイトにアクセスして結果を見てくださいとあったのでログインする。
結果の名前のところに「カルメン」と書いてある。
私はカルメンではない。
生年月日もそこに書いてあるような2000年代ではない。昭和だ。
結果を開けようかどうしようか考えた後、どう考えてもこれはカルメンの結果であり私のそれではないだろうと思い、開けずに主催者に連絡をした。
「私はカルメンではないんですけれども」から始まる妙なメールをスペイン語で送る。
すぐに返事が来た。
「ほんとだ、あなたカルメンになっているわ!すぐに確認して訂正するから。1人ずつずれているのかしらこれ」
受験番号がひとつ前の人のデータが私の方に届いていたらしい。
そんなことがあるのだろうか。
ということは、生年月日などの個人情報も含めた私の結果は、受験番号が私のひとつ後ろの人に届いているのだろうか。アンダルシアマジックというより、ホラーだ。
後ほど、正確なデータが送られてきた。
唐草と書かれた名前と昭和の生年月日とともに。
今度こそ。
えいっとボタンをクリックする。
合格していた。
貧血気味になった読解はとんでもない点数だったが、それ以外は大丈夫だった。驚いたのは、スピーキングが満点だったことだ。210点という点数に自分でもびっくりした。やるじゃないか私。
ナショナルジオグラフィックとパパラッチを拾ってくれたことを考えると、夫が言った「皮肉をまじえてイギリス人を笑わせる」というのはあながち間違いではなかったようだ。
パートナーのセルヒオのことを思う。彼も合格していますように。そして2000年代生まれのカルメンも合格していますように。
かくして、私は20年ぶりに英語の資格証明書を手に入れた。
これでほかの学部にも堂々と応募ができる。書類が足りませんと言われることもないはずだ。
◆
そんな風に枠にはめられると、ちょっと困ってしまう私がいる。
海外に住んでいるといっても、私が住んでいるのはスペイン語圏だ。そして、私は英語もスペイン語も決してぺらぺらなわけでもない。
外国人と結婚していようが、夫との会話はほぼ日本語だ。そこへときどき英語が入りスペイン語が入る。何語で話しているかもはやわからない。
母国語である日本語ですら、きちんと使えているかわからない。言葉というのはその背景にある歴史やら文化やら社会やら時代やらさまざまなものが複雑に関係していて、実に実にややこしいと思う。だからこそ面白いのだけれど。
学生時代、それなりにがんばっていた語学学習は、あるときを境にやめてしまった。語学だけを勉強していても、「私には語る中身がない」ことに気が付いたからだ。母国語であっても外国語であっても、語る中身があってこその言葉ではないか。身をもってそう感じるできごとが何度もあった。
今回の大学院受験がなければ、スペイン語の試験も英語の試験も受けることはなかったかもしれない。
この20年で私に語る中身が増えたかどうかはわからないが、久方ぶりに受けた試験は、その準備も含めて学生時代の自分とその後歩んできたじぐざぐで泥だらけのでこぼこの道を思って、感慨深かった。
さあ、次のでこぼこ道への一歩を前へ。
にゃー!
◆
ここでかっこよく終わりたかったのだけど、そうはいかなかった。
このnoteを書いていた今朝、大学からメールが届いた。
問い合わせのメールを送っていた、とある学部からの返事だった。
応募要項が今年から変わったとある。
なんと、私が取得した英語資格証明書は必要なく、逆にスペイン語の別の資格が必要になることがわかった。
「今年から変わるから、また新しい資格取れたら応募してね」
5回ぐらいメールを読んだ。
どう考えてもそう書いてある。
はははははははは!!!
大学ウェブサイトの本年の応募要項には、そんなことはひとつも書いていない。
どこまでもスペインはスペインだ。
さあ、私はどうするか。
半泣きでも、あ、諦めないぞ、と言うしかない。
正直に書くと、5分ほど前まで気持ちが折れそうになっていた。
いや、本当はまだぼやいている。明日もきっとまだもうちょっとぼやくだろう。
しかし、くさくさしていても仕方がない。
週末に買ったグレープフルーツを食べて自分の機嫌を直そう。
応募まであと2週間ほど。
振り出しに戻ったと思って、今置かれている状況でできることをやることにする。
にゃー!!
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?