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今日で最終回をむかえた朝ドラ『らんまん』明治・大正時代の着物をウォッチング
明日で、九月も終わり。今朝は『らんまん』の最終回の放送をテレビの前に正座して、待ちました。予想外の出来事はないんですけど、すごいなと思いました。『あさイチ』の朝ドラ受けも高評価で、博多大吉さんが「じっくり、見させていただきました」と言っていました。ドラマのモデルになった人物は牧野富太郎という名で、高知には同名の植物園があって、植物園のSNSで、タイトルに登場した花の実物写真を公開していました。長女の園子が、麻疹でなくなった後に「来週は良いことがあるといいですね」とコメントしていたのは、印象的でした。
牧野富太郎の生まれは文久二年。徳川家茂が皇女和宮と結婚した年です。ドラマでは幕末の土佐から、昭和の初めの東京へ、着物の流行を追うことが出来ます。万太郎家族はおかしな長屋に住んでいますから、事件(文部大臣の暗殺、関東大震災)の他、時代性が判別できるものは、子供の成長と着ている物なんです。寿恵子はずっと、和服ですが、掛け襟がなくなり、帯も引き抜き結び(お太鼓の中に、貝の口でぎゅっと結んである。タレは抜き切らずに折り返しているため、外から見える帯は天地が逆に。実に、不思議)から、お金持ち(寿恵子の叔母。新橋で料亭を営む)だけだった帯締め・帯揚げを、使うようになり、現代に近くなりました。夏の場面が多かったんですけど、防寒用にワタを縫い込んだ着物も登場し、へぇと思いました。寿恵子の着物コーデは着物と同系色の半襟を使うことが多くて、私も真似をしたくなって、買ってしまいました。
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不謹慎なと叱られそうですが、『らんまん』で私が好きだった着物をランキング形式で、覚え書きしたいと思います。
第5位
寿恵子が叔母の薦めで渋谷に待合茶屋を開店。人力車で、深夜に帰宅していた女将時代の撫子柄の夏着物。ツチトリモチがツモリチサトに見えてしまう私は、可愛い着物を臆せず、好む派なのでした。
第4位
万太郎の姉の綾が着ていた赤の縞の紬。綾さんはお嬢様なので、髪も大きく結っていました。お見合いに行った日の振袖も素敵でしたね。昔の人は着物を何着も持たない。春になれば、単衣に縫い直し、冬になれば、同じ着物にワタを入れると何かに書かれていたけど、お金持ちの家なのに、普段は同じ着物でした。
第3位
渋谷で店を開くため、市場調査に出向いた寿恵子のお出かけ用の紬。足袋は履いていなくて、帳面を入れる巾着を下げていた。目黒の「時代布 池田」で半襟を買おうとすると、必ず「洒落着に白い半襟を使うのは、今だけ」と言われますが、寿恵子の色半襟、可愛いです。
第2位
新橋にある叔母の店で、仲居として働いていた頃の小紋。政治家の集まる高級店なので、寿恵子の着物が柔らか物になったのが、私には嬉しかったんです。
そして、第1位は
ジャカジャカジャン。『らんまん』ファンの皆さんは予想できしましたか。結婚式の着物じゃありませんよ。第一位は…。
印刷所の親方(奥田英二さん)の妻(鶴田真由さん)のお着物でした。いかにも、「ブルベ・夏」な配色。でも、本当は私、娘の着物の色柄が好きなんですわ。写真、ありません。
『らんまん』面白かったデスね!