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「相手を理解する 対話の心がけ」     鈴木達矢さん

こんにちは!
今回はAIエンジニアとしてベンチャー企業に勤められている、鈴木達矢さんにお話を伺ってみました。鈴木さんから合氣道への想いや魅力をお伝えします。

鈴木達矢(すずき たつや)
1984年生まれ、神奈川県出身。天通合氣道参段。
慶應義塾大学在学中に、同大学合氣道会に入会し、天通合氣道に入門。
卒業後同会のOB会に入会し、現在OB会の会長を務めている。
2018年より、自動運転・先進運転支援システムを開発しているAIベンチャーに入社し、カメラなど車載センサーを用いた認識技術の開発に従事している。

新しいことに触れてみたい想い


ー 大学サークルでの合氣道との出会い

高校までは陸上を行っていました。大学に入るにあたって何か新たな分野をおこなってみたい! という想いがありました。
ちょうど、朝ドラで合氣道が話題に出ていたことから合氣道という武道を知り、新歓体験稽古に参加しました。
その時、先輩がたが行っていた演武を見て、体術のほかにも武器(杖・木刀・短刀)を使った演武を観て、かっこいいな! と思ったことや、憧れを感じたことが入会をきめたきっかけでした。
合氣道の中身について面白いなと感じたのは、実際に入会してからだったと思います。姿勢や丹田のテストを通して、やはり力づくでは上手くいかないことが多いことや、一方で、いわゆる力みという力に頼らない心身の使い方に面白さを感じました。

ー 学生時代の学び

当時は上の代の先輩がたが現役の稽古にも参加していることが多く、技の精度や豪快なところに圧倒されていました。
組織の運営の面でも厳しいアドバイスをいただくことが多かったのですが、新たな気づきと今の仕事に活きていることは、全体を観る、ということです。
社会人になって、年齢や立場が上がるにつれて、そういえば当時はそういう考えにも及ばなかったなと思うことが度々あり、卒業した後にその時の厳しかった理由ってこういうことだったのか、と初めて分かることが沢山ありました。
例えば、幹部学年になると役職というものがあって、誰がえらいよね、って学生当時は思いがちだったんですが、会社の運営もサークル運営と同じように、やはりその個々の役があって得意なところは伸ばして、苦手なところはお互いに補っていくことが大切なんだなって。
そういう役割をもって責任を持ちつつお互いに支え合い、組織立ってやっていくと、全体のバランスが取れて全体の雰囲気や仕事も良い方向に進んでいくんですね。



対話を通して、相手を知る

ー OB会長として

現在大学の時に所属をしていたサークルのOB会長を務めています。
自分が学生であったときからすでに二十年近く経ち、時代も昭和から平成・令和へ変わり、世の中の動き、社会の変化、物事の価値観なども大きく変わってきているので、昔と同じことを行うにしても、方法や考え方も変わってくるものです。
「現役生に付き添い、失敗しても守るという立場であれ」という言葉を前会長から引継ぎの際に言われ、実践に努めてきました。
現役生と関わる立場・OB会員をまとめる立場として、生きてきた時代も考え方もそれぞれ異なるゆえに、同じ目線・立場に立って考えていく、ということを心がけています。

ー 仕事の環境で

仕事では、エンジニアとしての研究のほか、いくつかのチームを統括する立場にもあります。
特に転職のかたが多く、求めるものをもって入社する人が多いので、経歴もバックグランドも違うかたがたの考えや想いをよく捉える、ということを意識しています。
ミーティングや相談で一日が終わってしまうこともありますが、対話を通して相手を理解することを心がけています。
そして、そのためにも、自分自身の姿勢や間合い・呼吸・など、精神的にも落ち着いていないと相手も安心して話せる環境ができませんので、技の稽古での間合いや、心身の落ち着き、また年下から年上の幅広い年代のかたがたと接することができる稽古時間がとても貴重なものとなっています。

ー 自分の意思を伝える

もう一つ意識していることは、自分の意志や意図をしっかりもつことです。
その上で、これって何のためにとか、将来役に立つからこういうことをやっていきたいとか、今目の前で見ていることじゃなく、その先のことを見据えながらちゃんと伝えていくと、相手も理解して建設的なミーティングができているように思います。


目標と世代を超えた繋がりをもって

ー 昇段と自分の合氣道

稽古に行くたびに、日々深化している教えに触れ、新しい発見があります。こういう身体の使い方をすればもっとこんなに楽に動けるんだと、身体を動かしてみて発見できることがすごく楽しいですね!
年齢とともに昔に比べると体が弱いな、と感じることも増えてきましたが、年相応に心身の使い方があるのかなと、そういった部分での無理のないかつ合理的な動きなどを見つけていきたい、と思っています。
また、大学サークルの後輩ともよく接する立場にあるので、技の面でも精神面でも、示せるものとして、成長していきたいですね。

ー 幅広い世代のかたがたとの関わり

練馬教室(子供クラス)の助手も務めていて、教室の創立から十五年くらい関わっています。当時幼稚園生だった子供たちが大学生になっていって、今も一緒に稽古しています。子供たちが成長していく姿を見ていると、嬉しいし、考え深いものがありますね!
子供から大人まで、世代ごとの異なる価値観を肌で感じ取れる環境が貴重なものとなっています。
幅広い世代の人や全く異なる分野の人との付き合いの中で、新しい知見や実際に問題にあたった時にどういうふうにされているか、という話を聞いていると、自分の仕事やプライベートのシーンに活かせるものが沢山あって、有意義な時間になっています。
これからも世代を超えた関わりと繋がりを大切にしていきたいですね!


取材日:令和6年4月4日
記事 :天通合氣道取材班

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