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人のせいにするお客様:自己責任と感情のはざまで

 ビジネスの現場では、さまざまなタイプのお客様に出会います。その中でも特に目立つのが、「失敗したら他人のせいにする」タイプの方々です。このタイプのお客様は、しばしば怒りを抱えて相談に来られます。彼らの多くは、自分の不満や失敗をすべて他者に押しつけ、まるで自分が完全に被害者であるかのように振る舞います。しかし、ビジネスの現場においては、誰が本当の責任者なのかを冷静に見極めることが重要です。
 そんな私も人を信頼し年収以上に損をしたことがあります。

1. 自己責任の欠如と他者への依存

 ある日、私は不動産に関する相談を受けるために、とあるお客様と会うことになりました。最初からその方はプンプンと怒りを隠せない様子で、担当の営業マンがこう言った、ああ言ったと永遠に不満を述べ続けました。最初は冷静に話を聞きましたが、徐々に見えてきたのは「自分は被害者だ」という意識でした。

 しかし、私はすぐに疑問を抱きました。「本当にこの人は被害者なのだろうか?」。よく話を聞いてみると、投資に関する話であったのですが、利益が出たときは自分の手柄、損をしたときは他人の責任という典型的なパターンです。確かに投資にはリスクがあります。しかし、どんな商品でも、最終的に購入や契約を決めるのはお客様自身です。リサーチをし、判断を下すのは誰だったのか?自分の決断を棚に上げて、他人に責任を押しつけるのは、果たして正当な態度なのでしょうか?

2. 情報収集の重要性

 スーパーで買い物をするとき、多くの人は商品の価格や品質をしっかりとチェックします。趣味で車を購入するときも、価格帯や性能についてしっかりとリサーチを行うでしょう。しかし、なぜか不動産や投資のような大きな買い物になると、何も調べずに感情だけで決断する方が少なくありません。

 例えば、不動産投資の相談を受けた際、あるお客様が非常に高額で物件を購入したという話を聞きました。驚いたことに、その方は市場価格や物件の状況を全く調べていなかったのです。感情に流されて購入を決めたため、後になって後悔することになりました。

 冷静に情報を集め、分析し、慎重に判断することがどれだけ重要か、こうしたケースを見るたびに痛感します。リスクを管理するためには、感情を排除し、データに基づいた判断が必要です。

 こうなってしまうのは答え合わせが出来ない位に唯一無二の不動産だからであると思います。

3. 感情の罠に陥るお客様

 感情に流されやすいお客様は非常に多いです。先日も、40代の美しい女性がマンションを売りたいという相談をしてきました。しかし、売却を希望する理由を聞くと、驚くべきことが判明しました。担当者が最近結婚していたことをしりえたため、その怒りと失望から物件を手放したいとのことでした。

 彼女の話を詳しく聞いていくと、担当者との年齢差が12歳ほどあり、それが何かしらの「裏切り」と感じられたようです。このように感情に囚われた状態では、冷静な判断が難しくなります。しかし、投資や不動産の世界では、感情ではなくデータや現実に基づいて行動することが必要です。

 最終的には、物件の市場価値を正確に評価し、彼女は物件を適切な価格で売却することができました。しかし、感情に支配されず、冷静な判断をしていれば、もっと早く解決できたかもしれません。

4. 感情的な判断とビジネスのバランス

 感情が絡むと、物事を客観的に見るのが難しくなります。お客様の感情に寄り添いながらも、冷静に状況を分析し、最善の解決策を提案することが私たちの仕事です。しかし、感情に振り回されてしまうと、お客様自身が最終的に損をする可能性が高くなります。

 特に不動産業界では、感情的なお客様に対して冷静さを保ち、データや現実に基づいたアプローチが重要です。これは容易なことではありませんが、感情に流されることなく、理性的に行動することで、最終的にはお客様にとって最良の結果をもたらすことができます。

5. 経験とデータに基づいたアドバイス

 私たちが日々感じるのは、お客様との信頼関係を築くことの大切さです。信頼関係があれば、感情的なお客様も冷静さを取り戻し、合理的な判断ができるようになります。そのためには、経験やデータに基づいたアドバイスを提供することが不可欠です。

 例えば、住宅ローンの見直しや市場動向の最新情報を提供し、現実的なアプローチを提案することが大切です。感情的な問題に対しても、冷静に対処するための具体的な方法を提示することで、お客様の信頼を得ることができるのです。

6. まとめ

 ビジネスの世界では、感情的なお客様とのやりとりは避けられません。彼らに対しては、冷静さを保ちながらも、感情に寄り添った対応が求められます。そして、最終的にはお客様自身が責任を持って判断し、行動することが重要です。私たちは、そのプロセスをサポートし、感情を整理し、冷静な判断を促す役割を果たしています。

 損をしたときに他人を責めるのではなく、冷静に自分の決断を振り返り、次に進むための学びを得ることが、本当の意味での成長につながるのです。

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