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『響け!ユーフォニアム3』(アニメシリーズ 〜7話)
視聴環境:U-NEXT
【内容】
高校の吹奏楽部でユーフォニアムを担当する久美子が、部長として全国大会優勝を目指す。
京都アニメーションのテレビアニメシリーズ第3シーズン。
※多少ネタバレします。
【感想】
今までのシリーズに輪をかけて、よく出来ていると感じました。
友達二人で歩きながら戯れに肩をぶつけ合うシーンとか、漫画的だったりアニメ的な表現を使いつつも、安易な漫画的な表現で逃げていないのが良いなあと思いました。
それから、毎話毎話のお話の構成がよく練られていて、完成度が高いと感じました。
同じ京都アニメーションのアニメ『けいおん』は、人間とか女性とか社会のネガティブな面を究極まで削ぎ落として、ひたすら心地良い世界を作って、若い女性層までファンを広げて行きましたが…
この作品は、もう少し人間を突っ込んで描いていて、より人間ドラマを描いていこうという意志を感じました。
まず1話目は、ちゃんと今までのストーリーがフリになっている、本当に考えられた構成だったり…
2話目のラストの盛り上がり部分もゾクっとするような作りだったり…
3話目は初心者の1年生部員が部活を辞めそうになっているという、以前のエピソードを繰り返し、大量離脱を阻止するというシリーズものならでは伏線回収という展開だったり…
こういうシリーズもののアニメになどでは良くあることだとは思いますが、それぞれのエピソード毎にテーマや狙いなどがここまでしっかりと打ち出せている作品は少ないのではないかとも思いました。
1970年代くらいから高畑勲や宮崎駿などがやってきた、日常的な場面を描き切ることでキャラクターの人間性や世界観を描くというアニメ演出を、こういった形で進化させていっているのだなあと思いながら観ていました。
一時期流行った日常系のアニメが、高畑や宮崎のアニメ演出の延長線上に成立していて、その日常系のアニメのトップランナーであった京都アニメ。その京都アニメが、今度は学園ものという形で、アニメならではリアリティ表現を進化させ、王道感さえ感じさせるようなシリーズを作っているという興味深さ…
サイドストーリーとして作られたアニメ映画『リズと青い鳥』は、ある種アートフィルム的な作品になっていて、そちらの可能性もシリーズを通して内包させているのも、よく考えて作っていってるなあと感じました。
原作の小説は読んだことはないのですが、高校を卒業までを描いているので、このシリーズは今季かあっても次のクールで終了してしまうのが残念だなと…
日本の高校を舞台とした学園ものの群衆劇のアニメで、ここまでしっかりとリアリティのあるドラマ描いたものってあんまり観たことがない気がします。(不勉強で知らないだけかもですが…)
部活に熱中する高校生で、恋愛の話が出てこないというのはリアリティいるかどうかという面では意見が分かれるとは思いますが…
就職とか進路とか部活とか…この年代の高校生のリアリティとかが良く出ていると感じました。
それと舞台になっている高校が、そこそこの進学校で、わりと家にも経済的な余裕ある感じとかもあり、よりそうしたモラトリアムな感じを強調しやすい設定になっているのも大きいような気がしました。
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