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『逃げ上手の若君』(アニメシリーズ 1〜3話)

視聴環境:U-NEXT

【内容】
鎌倉時代末期から南北朝自体の武将の北条時行を主人公としたジャンプマンガ原作のアニメーション。

※多少ネタバレ(?)します。

【感想】
アニメ評論家の藤津亮太が、今季のアニメの注目作であると紹介していたので、観てみることに…
最近のジャンプマンガを原作とした作品のアニメ作品の質は、高いなあと感じた作品でした。
『天才的に逃げる才能』がある子供として、主人公を立てるという異例の少年マンガで、設定の立て方とか、そもそもの視点が面白いなあと思いました。
そもそも人がやらない設定で、普通ならマイナス特性である『逃げる』を主人公の特性とするという離れ技を成立させて、面白い作品にする…
同じ作者の『暗殺教室』も、相当変わった設定の漫画でしたが、キャラクターをしっかり立てた上で、こうした得意な設定で物語を作るというのは、それまで存在しないタイプの物語だけに、当たるとオンリーワンの存在になれるのだろうなあと思いました。
が、これだけ書いている人が多い世界で、そうした変則的なことを狙った作品は、数限りなく書かれているわけで、その中でも、この作者が生き残ってヒット作を残し続けているのはどういうことなのかなあと考えながら観ていました。
特異な設定を使うのなら、その中にはオーソドックスで普遍的な物語構造を意識したキャラクター造形や配置をするとか…
今の物語である必然性を、作品を作る上で意識してしながら作っているのではないかとも思いました。
『暗殺教室』がヒットした時には、作者自身がテレビなどに盛んに出て、どうやってアイデアを作り出したかとか、ストーリー展開やコマ割りについて細かく言及していたのが記憶に残っています。
今回は、ただ単純に変わった設定の物語というだけでなく、史実の、しかも南北朝時代というあまり一般には人気のない時代の物語という、これまた予想の斜め上いくような物語を作っていて、この作者の底の知れなさを感じたりもしました。
本当はちゃんと漫画読み込んで、分析したりすると、より見えてくることもあるのでしょうが、とりあえずはアニメを観ていこうかと思ったりしています。

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