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『こんな本、どうですか?#20 嫌いな本の感想を書こう』(ポッドキャスト 追記2024.7.25)

【内容】
何冊も本を出している2人が、新たな本の企画について提案するというポッドキャスト。


【感想】
毎回、本の企画を提案している中でも、この企画は首がもげるほど頷けされる企画でした。
内容を聴いていて、自分が、十代の頃に読みたかったかも…
このエピソードを聴いていて、小学生の親戚の子が作文書けないというので、一旦感想とかを聴きながら箇条書きしてもらって、それを組み合わせて、ポジティブな落ちをつけるといった教え方をしたのですが…
三宅さんの明快なメソッド化した攻略法は、自分の教え方がいかに通り効果の薄いものだったかと。

三宅さんはこの方法で実際に、商業高校の生徒をリモートで教えていたそうです。
その内の1人が、進学校の学生ばかりが受賞している作文コンクールで、県内2位の成績になったのだとか…

その具体的なメソッドは…
①自分の興味のあるジャンルから、なるべく遠い本を読む。
②本を読んで、自分がどう変わったかを書く。

自分の興味の範囲の外側にある本は、読んだ人間にとって新鮮な発見があるものだし、その結果の自己変容も書きやすいと感じました。
よくシナリオや物語を書く上で、話の始まりと終わりで、主人公はなんだかの変化が起きていないといけないということが書かれていたりするのですが…
読書感想文にこのメソッドをぶち込んでいるという意味でも、優れているなあと感じました。
要するに、人間にとって基本的な認識パターンである物語化、そして、それによる自己変容という過程を起こさせたり、起こさせていると感じせるような構造になっているんだなあと…

このポッドキャスト内では、日本における読書感想文という欺瞞的(?)な構造をハックするといった感じの語り方でしたが…
そうした本音ベースの話ではなく、教育的な理想論を纏わせてメソッドを組めば、義務教育の副読本とかに出来るのではないかと感じました。

というだけではなく、この手法は就職向けのエントリーシートの自己PRの書き方などにも応用出来るのではないかとも思いました。

また、話の中で、アメリカと日本との作文の比較の話なども興味深かったです。
アメリカでは、日本のように自由に書けとは言わず、かなり書き方の指導などをしているとか…
その他、日本では、国語の教科で行っている作文なのに、道徳的な意味合いも含まれているのではないかといった指摘も面白いなあと…

そもそも、こうした外部の人間が作文の書き方を教えるために、教育の現場に入っていったりするだけで、日本の公教育はもっと活性化されるのではないかとも思ったりしました。


このエピソードを聴いた後、最新版♯21を聴いていたら冒頭で、自分で書いたnoteの記事(と思われる)が紹介されていました。

https://note.com/tenten2021/n/n3c2cb697f58d

三宅さんの原稿読みに関して、素朴な読み方していたといったことを書いていたとか…
気にされていたようでしたら、申し訳ないことをしました。
話も面白いですし、他のメディアに出ている時とは違って、このポッドキャストではとてもリラックスしている感じが聴いていて心地良いです。
その中で、原稿読んでいるところだけ、あどけない(?)感じになるので、他のポッドキャストやラジオでは聴いたことないような不思議なバランスだと思います。
最近の配信は、だいぶこなれてきてしまって、それはそれで物足りないような…

追加(2024.7.25)
嫌いな本を読みにいくという課題設定は、その時点で読む人に葛藤を産み、その本を読み終わることでだけでも葛藤や困難を解決したことになる。
そして、それによって自己変容、或いは成長を描く。
これは物語的な構造を、読書感想文に直に2行で落とし込むという離れ技なのではと思ったりしました。
人間が物事を理解したり、快楽を感じる構造になる問題設定なので、これは有効な手法だと感じました。
もうちょっと考え何巡かさせると、色々と役に立ちそうな考えに至りそうだなあと…

https://podcasters.spotify.com/pod/show/hondo2024

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