「この世界の更にいくつもの片隅に」(アニメ映画)の感想
視聴環境:ネット配信
【内容】
第二次世界大戦の前後、広島の呉に嫁いだ主人公女性が嫁ぎ先で苦労しながら、力強く生きていくことを描いた物語。
この作品は、大ヒットしロング上演を続けたアニメ映画「この世界の片隅に」の30分映像を付け加えた作品。
※ ネタバレします。
【感想】
アニメシーンを30分増やしたとのことでしたが、物語の構成などもかなり弄っていました。
観ていて、以前の作品とはかなり違った印象の作品になっていました。
大きな前の作品との相違点として…
・遊女のリンとのやり取りが大幅に増えた。
・主人公スズの旦那が、実は遊女との恋愛を断ち切る交換条件として、スズとの婚約を提案していた。
ちょっとしたシーンの追加とはいえ、作品の中のシーンの意味がかなら変わって、生々しい印象となっていました。
前作は戦争に翻弄された市井の人間達の物語であるとするなら…
今作は戦争にも翻弄された生身の人間の業を描いた物語であると感じました。
人の弱さ、楽しさ、悲しさ、残酷さ…
この物語は、自分の祖父や祖母の話であり、自分の子供の話であり、自分の親の話であり、自分の話であると感じながら観ていました。
観ていて、様々な感情や記憶が想起されて、なかなかな鑑賞体験となった作品でした。
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