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『ブルーロック(アニメシリーズ 25話)』〜「ブルーロック」はなぜ面白いのか?作者の意図と、作品が描く未来

視聴環境:U-NEXT

【内容】
次世代のサッカー日本選抜を育成するために集められた高校生が、サッカー養成ロック『ブルーロック』で生き残り、日本代表を目指す。
しかし、現在のU-21日本代表と対戦しメンバーと、ブルーロックの存続を掛けた対戦をすることとなる。

漫画原作のアニメシリーズの2ndシーズンの第1話。


【感想】
2ndシーズンになって、この作品の持つ4つのキーワードが思い浮かんできました。

『サッカー版カイジ』×『身体感覚の追体験』×『日本人論』×『次世代スポーツもの』

具体的には、解説していくと…
①サッカー版『カイジ』
・奇抜でありながら、現実のスポーツ界や現代日本のメタファーとなるそうな選手の選抜方法や、そこから発生する人間ドラマを描く。

②身体感覚の追体験
・パズルのピースなど具体的なモチーフに身体的な感覚を落とし込み、ドラマを盛り上げる小道具のように使うことで、プレイヤーの身体感覚を再体験させる。そうすることで、リアルな試合観戦以上の何かを表現している。

③ 日本人論
現在の日本の閉塞感や同調圧力を超えるものとしてのエゴイスト論になっている。

④次世代スポーツもの
フィジカルな機能の向上や根性論ではない、結果を出すための戦略や考え方、感覚を追求することをドラマにしたもの。

志も高いし、目指しているところも高いのに、ちゃんと一般向けのスポーツマンガにもなっていると感じました。
相当高度なことやってるなあと…
未見ですが、2.5次元演劇にもなっているようで、フォーマットとしても凄く優れていると感じました。

この作品を観始めだ時は、ハッタリとキャラクターの葛藤を積み重ねながら、わりと上手い物語運びをしたスポーツものといった感想でしかなかったのですが…
回を重ねるうちに、このブルーロックの設定やキャラクター造形、物語の構成の仕方が、実はかなり練り込まれたものでありことがわかってきました。また、物語の進み方と、キャラクターの成長が連動、というかむしろ予想の斜め上をいくような展開に、いつの間にか物語の世界に引き込まれていきました。
Wikipediaで作者のことを調べると、原作者も作画の人も、別に物凄くスポーツにのめり込んでいたタイプではないようです。アプローチとしては文系の人間が、プロアスリート的な視点で、スポーツの面白さやその先の人間について考え、感情の乗った物語を立ち上げているタイプ作品なのだと思いました。
作者自身も勉強し、考え、物語を構築し続けることで、成長し続けている作品なのではないか。
それが、この作品の独特のドライブ感や熱気のようなものになって、観るものに伝わってきているのではないかと思いました。

https://tv.bluelock-pr.com/tv1st/

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