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『響け!ユーフォニアム3』(アニメシリーズ 11話〜最終話13話)

視聴環境:U-NEXT

※ネタバレします。

【内容】
高校の吹奏楽部でユーフォニアムを担当する久美子が、部長として全国大会優勝を目指し、実力主義でコンクールの選抜メンバーを選ぶことにするが、自身はそのソロメンバーから外れることになってしまい…

京都アニメーションのテレビアニメシリーズ第3シーズン。


【感想】
最後の終わりが、久美子が音楽の先生になって終わるというのが、予定調和のようでありながら、ちゃんと感動的な情動が出来ていて良いなあと…
京都アニメの萌え的なキャラクターの見せ方から、人間の瑞々しい生命感とかドラマを描くものへと進化していった過程も合わせて、感動的な終わり方でした。
『けいおん!』の萌えを突き抜けて、男性のためのものだった萌え的なキャラクターを、女性や一般の人にまで、その魅力を説得力のあるものとして見せた作品だと思います…
が、それは作品世界の中だけで閉じた世界観のものではあったのではないか…
色々と紆余曲折や、痛ましい事件などを乗り越えて、それが実世界に開かれたラストに繋がっていったのだなあと…

かなり狭い入口から入って、ここまでのものを作り上げていくって、日本の創作の凄い面だなあとも感じました。
浮世絵とか、印籠とか、漫画とか、ゲームとか…
そしてその連なりの先にアニメがあって、その中でもかなり冷ややかな目で見られていた美少女アニメの延長線上に、こうした作品が出来上がったのだなと思いました。

子供の頃に夢中で観ていたものを…
宮崎駿とか今は名作と言われるようになったジャンプ漫画とか…
今から思い返してみると、社会的な評価軸がなかったり、語る言葉や価値観を持たなかったりしたのだなあと…


とはいえ、自分は一貫して団体競技は苦手だったので、吹奏楽部なんて、学生時代は全くやろうとも思わなかったのですが…
以前、どこかで学生が集団で楽器を演奏するのは、海外ではオーケストラ部であり、軍隊的な伝統から続いている吹奏楽部という形で、音楽活動をしているのは、世界中で日本だけだという話を聞いたことがあります。
そんな自分でも、こうした価値観の話は好きなのだなと、自分の中の日本人的な部分を感じたりしました。
ここら辺のことは語り出すと、色々と考えが止まらなくなりますね。
京都アニメの作品でヒットした『けいおん!』は個々人がある程度自由に活動出来る軽音楽部だったのに…
日本的な思春期の人間関係を描くのには、吹奏楽部であるということが、必要な要素だったのと感じました。
別にそれが絶対条件というわけではないとは思いますが…
京都アニメの持つ市場や期待されるもの、力を発揮できる分野でありながら、男女問わず全世代的にアピール出来るコンテンツとして吹奏楽部が選ばれたということを、今一度考えてみたいなあとも思いました。

https://anime-eupho.com

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