『謎の天才画家 ヒエロニムス・ボス(映画)』〜ヒエロニムス・ボスの世界:想像力が生み出す中世の光と影
視聴環境:U-NEXT
【内容】
15世紀から16世紀に活躍した謎に満ちた奇想の天才画家ヒエロニムス・ボスの魅力と実像に迫るアート・ドキュメンタリー。
【感想】
当時の珍しい事物やキリスト教の司教書の片隅に描かれた絵などを参考にし、不足する部分は自らの想像力で補いながら描いたというヒエロニムス・ボス。その社会的地位の高さも手伝い、彼の作品には中世の時代背景が色濃く反映されているように感じました。特に、免罪符が盛んに売られ、金のある者だけが救済される一方、貧しい者は見捨てられるといった時代の不公平さが影響しているとの指摘がありました。
また、絵の下に隠されていた描き直し前の絵をCGで再現したり、画面内の多数の人物をCGで消してみせるといった映像技術を使った演出は、この作品ならではの魅力でした。これにより、作品集では感じられないスケール感や細部の描写が際立ち、新たな発見がありました。
一方で、ボスその人や作品の深い掘り下げは少なく、全体的にやや浅い内容に感じられたのが残念でした。
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