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シュワっと上がってくる泡。グラスの中に広がった緑色の世界。

広がっては行くもののしまうことが出来ず、まだ白かった部分がどんどん溶け出していく。

溶け出して白濁してくると優しい黄緑となって広がり、白かったと思っていたけれど少し黄みがかっていた事に気づいた。

緑色の世界にグラス越しだと少し曲がって見える一筋の赤色。

その赤色で広がった私の気持ちごと一気に吸い上げてしまうことにした。

一気に下がった体温と室内の冷房。肩を震えさせる私を見て貴方は笑った。一気に体が冷えてしまった私に

そんな一気に飲むからだよ、あとそんな肩出すから。

なんていいながらシャツを羽織らせ満足げだった。

会えない時間はあんなに長く感じるのに。貴方といると時が経つのがいつもより早い気がする。

店を出るともう日が落ち始めていた。

堤防の淵にわざと距離を開けて座り、心地よい風が静かに私に触れながら、ただぼぉっと夕暮れの海を眺めていた。会話のない、そんな時間も心地よくなっていた。ふっと肩に温もりを感じ後ろから手を重ねて来る感覚があったので私は振り返った。


その瞬間現実に引き戻され、目をこするとぼやけて窓枠からどこまでも水色が広がっているのが見えた。あれ?と思い、周りを見回しても見慣れた自分の部屋だった。そして一筋の涙がこぼれ落ちた。

ああこれは夢だったのか。醒めてしまった夢の中にもう一度戻りたい気もするけれど一度でもこんな幸せな世界が見られるのだったらそれはそれで十分だと思った。

あの夢の中で飲んだクリームソーダ、甘かった。






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