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【百秘本082】推定100%有罪の真実は当人たちにしか分からない

百秘本ご購入のルール

一、タイトル秘密です。
二、返品はできません。
三、他の人には教えないでください。

この本を百秘本にした理由

一見すると推定100%有罪の当事者たちの切ない切ない真実の物語です。ストックホルム症候群という有名な言葉がありますが、犯人に共感してしまう被害者真理があるとして、そもそも、犯人が実質的に半人でなかったとしたらどうなってしまうのだろう、という問いから発せされた物語のように思えます。世間の避難を浴びる台風の中心にいる二人はどこまでも純粋で、純粋ゆえに痛々しく、共感している自分の心は何に依拠しているのかと不思議になる名作です。

百秘本を楽しむ方法

  1. 百秘本に書かれているコメントを読み、直感を信じてご購入ください。

  2. 百秘本をお楽しみください。

  3. 読んだ感想はタイトルを伏せて、百選本専用の#(ハッシュタグ)をつけてInstagramやXで投稿してください。

  4. ”つながるハッシュタグ”をSNSで検索し、その投稿に対してコメントを送ってみましょう。また、同じように送られたコメントに対して、返信してみましょう。

  5. 百選本のカバーに記されている”次に読む本”を参考に次の百秘本/百選本を選んでみましょう。

百秘本の”つながるハッシュタグ”

下のハッシュタグをつけて、InstagramやXで感想を発信して下さい。また他の読者の感想をさがしてコメントして下さい。ただし、まだ百秘本を読んでいないお客様のために、本のタイトルがわかる発信はお控えください。

#百秘本082 ※数字は半角で

また、以下のハッシュタグも合わせて使うことにより、他の百秘本を読んだお客様とつながることもできるかもしれません。

#百秘本
#天狼院書店

ご交流はお互いにマナーを守り、ポジティブな内容でお楽しみください。
天狼院書店へのコメントもお待ちしております。

これからの百秘本

百秘本では、これから様々なプロジェクトをご用意しております。MOVIEやライブイベントなども水面下で準備を進めております。すべての百秘本を攻略するとーー
このさきは、まだ”秘密”です。
天狼院書店のInstagramやX、または#百秘本で検索するか、店頭でご確認ください。この一冊の百秘本はまだまだ入口に過ぎません。

天狼院書店のSNS

天狼院書店公式Instagram

天狼院書店公式X

■ 百秘本物語082スクリーンプレイ

うず高く積上げられた本が林立する空間。
リーディング・チェアに座り、眠気と戦いながら、意地で本を読む若い女性082がいる。
彼女は黒いカバーが掛けられた文庫本を読んでいる。
そのカバーには「082」の文字が白いペンで書かれている。
なんとか、まもなく読み終える。
読み終えて、大きなため息をついた瞬間に、見えないスピーカーからマイクが入れられる音がして、その女性082は居住まいを正すように背筋に力を入れる。
優しげな男性の声がその狭い空間に響く。
男『読了、されましたでしょうか』
082「しました。というか、あなたの目的が分かりましたよ。本当に酷い人ですね。というか、変態なんじゃないですか」
と、開き直ったように鼻で笑う。どうにでもなれという雰囲気。
男『酷い人、変態とは、どういうことでしょうか?』
082「あなたがやりたいことは、洗脳ですよね? 犯罪を犯した人間に共感し、さらには犯罪者に愛情までも抱かせるように、こうして拉致監禁し、自分を赦し、そして愛する人間を探しているんですよね? そういうの、なんて言いましたっけ、誘拐犯に同情する・・・・・・」
男『ストックホルム症候群です』
082「そう、それ! って、あなた認めるんですか? 自分がそれを狙って誘拐して、私だけじゃなくて多くの女性を監禁しているという事実を」
男『・・・・・・』
082「反論できないってことは、やっぱりそういうことなんでしょう。この変態が! いい加減に帰して! 私はあなたなんかに死んでも同情しないから!」
男『なるほど、あなたはこの物語の登場人物に共感できなかった、とそう仰りたいのですね?』
082「共感なんて、できるわけがないでしょ! この状況におかれて、どうやって共感できるっていうの!」
男『興味深い見解です。あなたは状況によって、本の読み方が変わるということを実証されているわけですね。質問を変えましょう。あなたはここではないどこかでこの本を読む機会があったとすれば、共感した可能性はありますか?』
082は言い淀む。
082「だって、この本せっかく面白かったのに、こんな状況で読むことになって憤りしかない。どう責任を取ってくれるの、いや、責任はいいから、帰してよ! 本当に帰して!」
男『今、面白かった、とおっしゃいましたね』
082「それは、面白いよ、この本は。この本に罪はないし、この本に登場する彼にだって罪はないじゃない。何も悪くないじゃない。ただ、犯罪者ってレッテルを周りが勝手に貼り付けていって」
男『私にも情状酌量の余地があったとすればどうでしょうか?』
082は、一瞬、戸惑う。
082「どうしても多くの女性を監禁して、こうやって本を読ませなければならない理由があるってこと? そんなはずないじゃない。あなたはいいように小説を曲解して、それを私に押し付けようとしている正真正銘の犯罪者よ!」
男『まるで、この本の主人公たちを糾弾する人たちのようなスタンスを取るんですね。まあ、それはいいです。次はどれにしましょうか。095にしましょう。いよいよ、終盤に差しかかってきました』
082は一縷の望みにすがるように言う。
082「終盤? 今、終盤って言った?」
男『はい、百秘本の中の95番目なので、終盤です。あなたのターンにとっては最後になりますね』
082「百秘本? 私のターン? いったい、どういうこと?」
男『これはこれは失礼しました。もうすでに説明申し上げていたと思っていましたが、別の方へ説明していたのをあなたにしていたものと勘違いしていました。なにせ、数多くいらっしゃいますので、私も分からなくなり
ます。あなたは001、051、そして082と読み進めて来て、この流れの最後の結末が095なんです。あなたのターンは095で終焉を迎えます』
082「その095を読めば、帰れるってこと?」
男『それはあなた次第です。もうお気づきかと思いますが、この世界と本の世界はリンクしています。そのことだけはご注意ください』
082「待って、待って。本に書かれていることが私にも実際に起きるということ?」
男『さあ、それは何とも言い難いですね。これ以上話すことは、プロトコルに抵触します。095がハッピーエンドで終わることを祈っていますとだけ申し上げておきましょうか』
黒いカバーに095の文字が書かれた文庫本を手に取り、じっと見つめる。

百秘本物語

※MOVIE版『百秘本物語』は天狼院書店公式Instagramで配信中です。

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