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家はうごけない

先日からちょっとずつ巡回中のTheTokyoToilet。今回ご紹介するのは「あと2.3回転生したら住めるかな?」という私にとってはアンタッチャブルな街=広尾にある広尾東公園トイレです。あるもの全てがいちいち高級感をだしてくるので、私の心はなんだか落ち着かない。なんかハリ感もない服できちゃってごめんなさい!

公衆トイレだってらしからないのがここ広尾なんです

「これは果たして公衆トイレと言えるのか」なんてつい回帰的に考えたくなってしまうくらいに洒落ている広尾東公園トイレ(この問いをわたしは何度頭の中で巡らせたことか)。その1大要因がこのパネルにあることは間違いなさそう。昼は木漏れ日、夜は水面のような、蛍のような光を映し出す768個のLEDライト。なんかロマンチック。もはや公衆トイレ寄りのアートです。

綺麗なんだけど……

でも、ぶっちゃけ……こんなオシャレにしちゃって、UXとかサイン設計的にはどうなの?これってデザイナーのエゴなんじゃないの?って思ってます。反対に心のどこかでは、こんな有名なデザイナーがわざわざ分かりにくいデザインなんて意味もなくするのか?とも考えてます。そんな感じで一人迷宮入りしていたらついに、私の灰色の脳細胞がメラメラと活性化し始め(?)、とんでもないことに気がついてしまったのです…(っていうのは大袈裟かも)

私の脳細胞に乞うご期待

私が私のIQをフル稼働させて分かったこと、それは『このトイレが、背景にある住環境を超配慮したトイレである』ということでした。上の写真にもあるように、このトイレのある場所は、何とあのルイビトンジャパンの令嬢も住んでいるとかいないとか、なんてハイレベルなヒルズマンションの中。つまり、ヒルズという住環境の一部に属している公衆トイレなんです。そうなると、主たるデザインの対象はユーザーではなく、移動できない『ヒルズの住人さん』になってくる。さらに、公共の場にあるそれと同じ理論でデザインできるものではないということも見えてきました…

となると1つ問題が

そんなヒルズの住人さんには(きっと)度外視できない問題『月うん十万かかる自分の家の窓から公衆トイレが見える』がありまして(大事)。それを解決しているのが後さんの公衆トイレらしからぬ意匠的デザインだったんです。同時に「これじゃあトイレかどうかが分かりにくい」なんて問題も確かに出てきそうなのですが、そもそもこのトイレのメインユーザーも観光客等のストレンジャーではなく、ヒルズに用があるような『土地勘のある人』に絞られるのでさほど問題ではありません。また、今一度デザインを見てみると、坂を上ってくる人(初見さん含む)にはトイレっぽいデザイン面が、坂を下ってヒルズから出てくる人にはアートっぽいデザイン面が見えるようになっていたりもする。
あれ…このトイレ…めちゃめちゃ対象に特化したトイレになってるかも…

トイレマークもわざとロゴマークみたいになってる

だとすればもうグゥの音は出ない。

一旦ここで、今回も迷いのチェックリストを見ていく、(私)改心の一撃

全体のデザインもサインデザインも目新しく、意匠性に長けているこの公衆トイレ。見た目に既視感はなく迷いの原因にもなり得そうですが、それよりも絵的にしっかりしている方がこの場所のニーズには合っているみたいです。

実際に住んでいる人がもしいたら、ぜひ私にリアルな感想を教えてください。あ、あと友達になってください(ついでに家にも招待してください)。





追録 おやつは世界を救う。

It's a Sweet World. 甘いものがなきゃやってられない。今回のお供はファミマの『八天堂 とろけるくりーむパン』。公衆トイレなのにアート。コンビニなのに八天堂。そういう贅沢って必要だよね。

グゥの音がは出ないこともない


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