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かっこいいとはこういうことさ
先日からちょっとずつ巡回中のTheTokyoToilet。今回はあのNIKE原宿とか、ユニクロ銀座とか、鎌倉THE BANKとか「あーあそこね!」って思うような場所のインテリアデザイン全部やっている(は言い過ぎ)片山正通さんの恵比寿公園トイレをご紹介。あっちもそっちもこっちにも、私たちが想像する以上にこの世の中は片山正通の作品で溢れかえっているのかもしれない。
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本当にこれが公衆トイレなのか。2度3度訪れたこの私でも疑ってしまうくらいおしゃれなデザイン。この先にインテリアショップがあると言われても不思議じゃない。なのに、どこか公衆トイレ味も感じられるという片山パワー。隣にあるこども園や小学校に通う小さな子たちが怖がらずに利用出来るような清潔感と親近感があり、公園で休憩中のタクシーおじちゃんの心も癒すオアシスなんて役割も担っている。
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どうせかっこいいだけなんでしょ?と私も最初は口の片方を引き攣らせながらあーだのこーだの言っていましたが、何だかそうでもなさそうなんですよね。夜見えなくなってしまうだろうと思った黒地のサインは、綺麗にライトアップさせることで解決。男性用トイレ・女性用トイレ・ユニバーサルトイレの入口が散らばっており、一瞬「どこだ」と迷ってしまう問題は、案内板を適所(どの動線からでも見える位置)に配置することで解決。まるでデザインを殺さないデザイン・・・でした。
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ではここら辺で今回も、迷いの原因チェックを行っていきます。
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多方向に組まれたいくつもの壁が若干死角になりやすいことが懸念されるので、少しマイナス点としました。一方で、あの壁の配置はトイレの出入り口で異性と鉢合わせてしまう気まずさを避けてくれていたりと一概に悪いとは言えない。他にも、そもそも内部構造が男性用トイレ・女性用トイレ・ユニバーサルトイレの3つに分かれており、私たちのデファクトスタンダードに則った設計になっていることも魅力の1つ。全部ひっくるめて評価すれば、やっぱりデザイン美も機能美もバランス良く備わっているトイレです、ほぼ100点。
片山さんのインスタグラムを見ていた時に、このトイレについて「周りの樹木が生い茂って来たらもっともっと、ここの空気感にエイジングされて行く」というコメントを見つけました。何年後も何十年後も、今とはまた違うカッコ良さを持って、素敵な公衆トイレが残ると思うと感慨深い。年を追うごとにこういうトイレが増えていったら素敵だなと思いました。
最後に、いつか私もWonderwall®︎のあの椅子に座ってみたいです。ありがとうございました。
追録 おやつは世界を救う。
It's a Sweet World. 甘いものがなきゃやってられない。今回のお供はメイトーの『ホームランバー』。これは安い、おいしい、かわいいで巨匠にだって負けないハングリー精神あるんだからね。
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