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質問157:ボールに負けて面が保てない

こんばんは〓
高校1年のテニス部です〓〓
フォアハンドが苦手でボールにまけて面が上向きになってしまいます。
どうすれば直せるでしょうか?
よろしければ教えていただきたいです〓
あとフットワークがかなり遅いです(>_<)〓
なにかおすすめのトレーニング方法があればぜひ教えて下さい。
宜しくお願いします。

回答


▶「前打点」を意識するからラケット面を保てない


ボールに負けて面が上向きになってしまうなどの症状がある場合、大抵は対処療法として、「打点を体の前に取って、打ち負けない位置でインパクトしなさい」と指導されると思います。
 
ご自身はいかがでしょうか?
 
ですがこれが、悪循環の始まりです。
 
打点を前に取ろうと意識すると、今度は前になりすぎてしまって、やはりラケット面を保てず、スイングがとっちらかるということが起こり始めます(インパクトでギュッしたからといってラケット面を保てないのは言わずもがなです)。
 
ですから、「打点は体の前」などと、そのその場所を規定しようとしては難しくなるのですね。
 
なぜなら、場所を考えながら打ってしまうと、タイミング(時間)が感じられずに合わなくなるからです(関連記事「大事なのは『打点』ではなくて『打時』」)。

▶テニスでミスする唯一の原因

 
テニスでミスが発生するのは、打球タイミングを外して打ってしまうからというのが、唯一の原因です(関連記事「大発見! テニスでミスする原因は、『たったひとつ』しかなかった!」)。
 
タイミングというのは、何か考え事をしながらだと、特にテニスのような高速の動きを伴う場合や、時間的余裕がない状況では、なかなか合わなくなるのです。
 
ですから考え事をせずに、ボールをよく見てください。
 
「それだけ!?」と思われるかもしれませんが、「それだけ」です。
 
今までミスする原因は、「ヒザを曲げていなかったからだ」「テイクバックが大きすぎるからだ」「左手をボールに向けていなかったからだ」などと、フォームに関するさまざまな指摘があったはずですけれども、それら表面的な見た目の現象は冤罪であり、真犯人ではなかったのです(関連記事「『本質』を見極めればだれでも成果は上がる」)。
 

▶タイミングを合わせる方法

 
この時の注意点は、タイミングを合わせることが大切だからといって、タイミングを合わせようと「意識する」と、また考え事が始まって合わなくなるから要注意。
 
タイミングを合わせるには、タイミングを合わせることを意識しない
 
禅問答のようですが、これが重要なポイントです。
 
ですから、「無心で打つ」のです。

▶頭で予測すると、フットワークが鈍る

 
フットワークの件につきまして。
 
遅いと自覚するプレーヤーほど、相手の返球を頭で「予測」して、何とかボールに追いつこうとしがちです。
 
ですがこれが、実はフットワークが鈍くなる原因なのです。
 
予測すると、やはり頭で考えてしまうことが多くなるから、思考を経由するため、動きは悪くなります(関連記事「思考すると動作が遅くなるのはなぜ?」)。
 
また予測を裏切られると、自分では気づきにくいですがリルートするため余計に遅くなります。
 
フットワークではありませんが、相手とお互い近い距離でゆっくり打ち合うボレーボレーを、フォアとバックのどちらサイドへ飛んで来るかを予測しながらやってみてください。
 
リルートが起こるから、とても難しくなってしまうことがお分かりいただけると思います(関連記事「予測をやめると『やりやすくて仕方がない』」)。

▶ボールに集中すると足が速くなる

 
フットワークをよくするためのいちばんのポイント。
 
これもフットワークを意識しない。
 
頭の中の考え事をなくすことです。
 
ボールを追いかけている最中も、「細かく足を動かそう」とか、「目線をブラさないようにしよう」とか、意識せずに、ボールに目のピントをただ合わせ続けるようにしてください。
 
これが、今あるフィジカルでボールに追いつくフットワークを引き出すためのポイントです。

「ラダー(縄梯子)トレーニング」でも、足の運び方を意識すると遅くなる。

「見えている」から速く正確なのです(関連記事「なかなか成果が出ない。フットワークを良くするいい方法は?」)

徒競走では、最速のスピードを出すには、ゴールテープの一点に集中しますが、その一点がテニスでは、ボールと位置づけられます。
 
隣のレーンを意識して目線を逸らす(=非集中)から、フォームも乱れ、遅くなるのです(関連記事「100メートル走で『最速記録』を出すには」)。
 

▶頑張らなくてもスーッと追いつく

 
そして実はテニスコートでボールに追いつくためのフットワークは(それは速いに越したことはないとしても)、そんなに頑張って速く走ろうとする必要はありません
 
だけど一般的に指導されるように、「走りながらラケットを引く」ことや、「肩越しにボールを見ながら動く」ことを意識したりすると、ボールに追いつくのがギリギリになって、本当に足が遅いように感じてしまうものなのです。
 
実際には「早く・速く動きすぎる問題」のせいで、先述したリルートが起こり、ボールとの同調がかなわなくなる問題も少なくありません。
 
シニアの上手なプレーヤーが、足が若者よりも速くなさそうなのに、ボールにスーッと追いつけるのは、相手のフォームを見て「フォアに来そうだ」「バックに来そうだ」などと頭で予測せず、考えごとをなくして、ボールの動きに合わせてプレーする条件反射ができているからなのですね(関連記事「どうやったら、こういう余裕のあるプレイが出来るようになるの?」)。

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