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テニス上達メモ134.テニスに恋する。好きになる理由なんて必要なし!

 


▶もっと「感覚的なもの」のはず

 
テニスの上達は、理屈ではありません。
 
それは、恋愛とよく似ている。
 
「私は、彼が高学歴だから好き」「私は、彼がお金持ちだから好き」というのは、全部うそ。
 
いつわりの恋です。
 
そういう人は、彼が好きなのではなくて、学歴が好き、彼が好きなのではなくて、財産が好きなのですね
 
好きかどうかは、理屈ではない。
 
「○○だから」という理由などありません。
 
もっと「感覚的なもの」のはずです
 

▶「上手くなるための理由」なんて必要?

 
さて本題。
 
「ヒザを曲げるから」「体の軸をまっすぐにするから」「左手でバランスを取るから」、そういった理由で、テニスが上手くなるのでしょうか?
 
そういう上手くなるための理由を求めているうちは、全部うそ。
 
いつわりの上達です
 
上手くなるための理由を探しているようなもの。
 
とはいえ多くのプレーヤーが、これをやらかしがちなのです。
 
上手くなるのが目的なのに、上手くなるための理由を探し出すのです
 
恋をするのに、恋する理由を探すような……。
 

▶「わくわくした気持ち」でコートに立つ

 
テニスが本当に上手くなるのに、理由などいりません。
 
「なぜか打てる」のです。
 
勝手に手足が動くのです。
 
それは、好きになるのに理由なんて必要ない、みたいなものなのです。
 
テニスも恋も理屈ではない、もっと感覚的なもの
 
「テニスに恋する」。
 
これこそ、上達のための媚薬!?
 
「わくわくした気持ち」でコートに立つ、それがいちばんだと思うのです
 

▶「恋愛成就」の秘訣

 
さて恋愛成就には、何が必要でしょうか?
 
若干こじつけではありますけれども、集中と恋愛は似ているかもしれません。
 
誰かを好きになったとき、そのお相手に対する集中力が一気に高まります
 
こちらでは、テニスの場合は「恋は盲目」で構わないとお伝えしましたが、一気に高まりすぎるのもまた危険なのです。
 
いわゆる「熱しやすく冷めやすい」状態。
 
こうなると、恋愛は長続きしませんよね。

▶瞬発力と持続力は相容れない

 
別の例で言えば、100メートル走の爆発的な瞬発力と、マラソンの長続きする持続力とたとえます。
 
両方はどうしても、両立しません
 
いくらウサイン・ボルトの走行スピードが速いといっても、42.195キロメートルは持続できません(関連記事「ウサイン・ボルトに勝つ方法」)。
 

▶テニスも恋愛も、「終了時間」はないのだから


さて集中力を恋愛にたとえたのは、双方が基本的に終了時間が定められていないから
 
いつまでも続けていい」という話はこちらでしましたね。
 
テニスは日付をまたいで行われるナイトセッションも少なくありません。
 
恋愛も基本的に1ヶ月限定などではなくて、終了時間がないからいつまでも続けていい。
 
二人がもしもさめて、目を見りゃつれなくて、人に言えず思い出だけがつのる」のでなければ……。

▶集中が続く「ボールの見方」

 
さて100メートル走の瞬発力と、マラソンの持続力は両立しないのでしたね。
 
そして時間制限がない以上、長続きできたほうが勝利します。
 
ゆえにテニスも恋愛も「集中瞬発力」以上に「集中持続力」がものを言うのではないでしょうか
 
そのためには先述したように、一気に高まりすぎるのは危険。
 
具体的にテニスで言えば、たとえば「インパクトの瞬間!」だけボールをガッと見ようとする集中力は持続しません。
 
飛んで来るボールも、飛んで行くボールも、平均的に高い水準の見え方になっているとプレーは上手くいきます
 

▶「プロセス」を尊重する


そのためにはいつも申し上げているとおり、「頑張りすぎない」のでしたね。

「受け身」というと怠惰な印象かもしれませんけれども、「受け身に秘められた真価」を発揮するためには、自ら能動的に頑張ってはいけないのです。
 
それはお相手を大切にしないという意味ではありません。
 
むしろ末永く大切にするために、お相手のプロセスを尊重すると言えばいいでしょうか。
 
インパクトの瞬間だけ集中するのではなく、飛び交うボールのプロセスを、最初から最後まで、見続け見届けるのです。
 

▶失敗するから学べる

 
頑張るというのは「我を張る」わけですから、人と人との関係性は基本的に上手くいかなくなります。
 
私もたくさん失敗してきましたし、今もしょっちゅう失敗し続けています。
 
しかしそれは、「それだと上手くいかない新たな発見(成功の種)」と捉えます。
 
失敗するのは確かにあまり愉快ではないけれど、失敗するから学べます
 
というわけで、テニスも恋愛も結果ばかりを求めるのではなくて、そのプロセスを楽しみたいものです。
 
その結果、結果が手に入るのではないでしょうか。

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(テニスゼロ)
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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero