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テニス上達メモ092.「大局から小局」が学習サイクルを加速する
▶感覚を身につけると「流用」が起こる
クロールの選手が平泳ぎを極める必要はないし、平泳ぎの選手がクロールを極める必要もない。
こちらでは、全部のスペシャリストになる必要はないと述べました。
だけど、「泳ぎ方の感覚」を身につける(頭で覚えるのではなく)と、いろんな泳法に流用できるのでしたね。
クロールの選手が平泳ぎはできない、平泳ぎの選手がクロールは泳げないという区別はありません。
▶馴染みの薄いバタフライもすぐ泳げる
「泳ぐ感覚」を身につければ、クロールも平泳ぎも背泳ぎもできるようになります。
少し練習すれば、小学生時代にはあまり馴染みのなかったバタフライなども、大人になってから簡単に泳げるようになります。
さらに枠を広げて、水泳やテニスに限らず、ほかのスポーツも感覚を身につけると、いろいろ流用されて素晴らしい結果を残したというスーパースターたちの物語。
▶「テニス一筋!」は効率的のようで能率的ではない
テニスが上手くなるにあたって、テニスだけ集中してやるというのは、テニスが上達するうえで効率的なようでいて、能率的ではありません。
それが証拠に世界で活躍する選手たちも、(私が知らないだけでそういう選手もなかにはいるかも知れませんけれども)幼いころから「テニス一筋!」というより、他競技にも熱心だったと伝えられます。
▶ほかのスポーツ経験が役立つ
ロジャー・フェデラーは、通う小学校の校長先生から「サッカー選手になると思っていた」という腕前(足前?)。
テニスのほかにも卓球、バスケットボールなどもプレーしてきたといいます。
ノバク・ジョコビッチは子どものころ、テニスのほかスキー、サッカー、マーシャルアーツ(東洋系格闘技)を経験。
曰く「若いころにさまざまなスポーツを経験することは大事。ほかのスポーツ経験が、脳や技術、動きの発達に役立つ」としています。
ラファエル・ナダルはサッカーとテニスに熱中するあまり学業がおろそかになったから、12歳のときにテニスを選択。
なかには錦織圭のように、本当はサッカー選手になりたかったけど、上手くいかなかったからテニスを選んだ消去法の例もあるみたいです。
▶経験が有機的に結びつく
ジョコビッチが言うように、いろいろな経験がほかで役立つ。
私たちも、この感覚は幼いころにやった遊びの流用になっている、ということがよくあります。
福笑いやスイカ割りの経験が空間認知力を高めているかもしれないし、凧を上げたり、コマを回したり、メンコを叩いたり、餅をついたり、ヨーヨーを操ったりといった経験が、どこで何がどう役立っているか定かではないとしても、有機的に結びついています。
▶テニスボールを足でリフティングする
改めて、テニスが強くなりたいのであれば、スポーツはテニスだけに集中して取り組むべきか?
答えは否。
くだんのスーパースターたちは幼いころから他競技も経験してきて、最終的にテニスへたどり着きました。
他競技の経験が化学反応を起こして、テニスのプレーに活かされるのです。
テニス選手がテニスボールを、足でリフティングしたりするシーンを見かけたことのある人もいるでしょう。
もちろんテニスの試合では、足でボールを蹴るわけではないけれど、ああいった「球感」がプレーに活かされます。
▶大局から小局へ絞り込む
さまざまなスポーツを、誤解を恐れずに言えば浅く広く経験してきた。
そして、大局から小局へと絞り込んでいきます。
順序を誤っては、化学反応は起こりません。
つい、逆をやってしまいがちです。
ひとつだけを何か極めて、それを応用していこうとする小局から大局へと。
それだと比喩的に言えば、器が小さくなり、盛れる量が少なくなります。
先にいろんなスポーツの経験をして器を大きくしておけば、その上に多く広く渦高く盛れます。
▶全体をざっくり荒く仕上げる
「大局から小局」についてもう少し穿つと、私はよくギター演奏の練習を例にします。
ギターが弾けるようになるには、Am7やFなどコードの押さえ方はテキトーでいいから、1曲の全体をざっくりと弾き切ります。
そして全体の大局をつかんでから、小局的に細かくコードを作り込んでいきます。
ところが楽器演奏に挫折する人は、1小節ごとにコード(形)を完璧に押さえられるようになってから、次へ進もうとしがちです。
あまつさえハンマーリングオンやプリングオフなど、主観的にかっこいいと思える小技にこだわりがちです。
しかしこれでは先へ進まないし、やっていることは音楽(音を楽しむ)ではなく、「フォーム作り」です。
▶あなたがギターを置くとき
ちゃんとしようとする真面目な人が陥りがちです。
1小節ごとではなかなか進みません。
それでは練習が遅くなるから何度も繰り返せないし、繰り返せないから上達しないため、さらに遅くなる悪循環。
そのうち遅くなりすぎたトドメが、ギターを「置く」のです。
誤解を恐れずに言えば、タブ譜の見方など「知ったこっちゃない」とばかりに乗りで押し切るヤンチャが、天才的なギタリストになったりします。
▶形を意識すると音が「聞こえない」
そしてコード(形)を意識しているとき、どうなるのでしたでしょうか?
フォームを意識していると、テニスのインパクト音が聞こえなくなるのと同様に、演奏をいちばん間近で聞いているはずなのに、音を奏でる張本人が、聞こえなくなるのです。
それでは「音楽」とは言えません。
かたやテニスゼロには、「テニスは楽器を奏でるようなもの」と伝えてくれる読者さんがいます。
音楽の本質は形ではなく音、あるいはリズム、タイミングです。
しかしコードの形にこだわるとリズムどころではなくなって「ジャ、ジャジャ、、、、、ジャ」といった具合に途切れ途切れになってしまいます。
これでは「乗る」どころではなくなってしまいます。
▶型にはめると罠にはまる
改めまして、いろんなスポーツを経験する意義を確認します。
化学反応が起こる条件は、各競技を型にはめてしまわないこと。
一見すると型にはめると上手くいくような気がしますが、それは型にはまる罠なのです。
感覚ではなくフォームで覚えると、有機的な流用は起こりません。
クロールはクロールの形ですから、フォームを固めれば固めるほど、テニスのスイングにそのまま流用とはなりません。
確かにビヨン・ボルグはアイスホッケーに熱心で、彼の代名詞となるトップスピンはアイスホッケーで叩きつけるスラップショットとも言われます。
しかしそれは叩きつける「感覚」であって、スティックとラケットでは、長さも重さもスイング軌道も違うわけですから、フォームがそっくり流用されるわけではありません。
▶怖いもの知らずのスピード感、冷静沈着なレース運び
流用されるのは「感覚」です。
たとえばヤニック・シナーは、初めてテニスラケットを握ったのは2歳半と早熟ながら、8歳から12歳まではイタリアのトップスキーヤーとして活躍しました。
その怖いもの知らずのスピード感と冷静沈着なレース運びが、高速ラリーを制する素地作りに役立っているのは間違いないでしょう。
パラレルやボーゲン、シュテムなどの、バランス「感覚」や身体「感覚」が活かされることはあっても、「フォーム」そのものが、テニスのプレーに流用されるわけではありません。
▶有機的な結合の結実が「今の自分」
いろんな選手が、いろんなスポーツ経験を通じて、いろんな感覚を身につけてきました。
その有機的な結合の結実。
それは私たちも同じはずです。
思い出せないだけで、いろんな人が、幼いころからいろんな経験を通じて、いろんな感覚を身に着けてきた結合の結実が、今。
スポーツばかりではないかもしれません。
人は生きている限り成長し続ける生き物ですから、大人になってまさに今、している経験も、有機的に結びついて今後も役立っていきます。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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