テニス上達メモ457.常識的なテニス指導だと、テニスを始めた初日からつまずく
テニスを始めて最初に教わる、教えてもらうのは、一般的にはラケットの持ち方、いわゆる「グリップ」ではないでしょうか。
どうやってラケットを持つか?
そこでコーチはラケット面に手のひらを合わせて、クリップのところまで下ろし、握手するように握るのがフォアハンドイースタンだ、などと教えます。
これも「フォーム」です。
「フォーム」だから意識すると逆にテニスが下手になると、テニスゼロではお伝えしています。
なぜ下手になるのかというと、ボールに集中できなくなるからです。
もっと言えばボールが見えなくなる。
なんとなく、ぼんやりは見えていても、一方ではラケットの持ち方を意識しているのですから、飛んでくるボールのスピード感や距離感といった必要な情報は、正確に認識できません。
手元に意識があるのに、数メートル先のボールが、ハッキリ見えるはずがないのです(逆に言えば意識するのをやめれば、ハッキリ見え始めます)。
ですからラケットの持ち方(グリップ)を意識すると、逆にテニスが下手になるのです。
つまりテニスを教わる初日の「はじめの第一歩」から、すでにつまづき始めている。
そこでグリップが正しく握れているはずなのに、上手く打てなかったら、今度は次のようにたたみかけます。
「ヒザをちゃんと曲げましょう!」
「体を横に向けましょう!」
「もっとコンパクトに引きましょう!」
「ワキを閉めて!」
「肩越しにボールを見て!」
「左手を使ってボールとの距離感を測るのがコツですよ!」などと。
そして言うのです。
「はい、それらを意識しながら打ってみましょう!」
…できるはずがありません。
私はもう、たたみかけてきた1個目のアドバイスを忘れてしまっています(笑)。
食事中にテレビを見ながら、スマホをいじり、明日の会議のことを考えていては、メシの味(情報)はわからないのです。
テニス初級者は上手いプロなどが、クリップの各握り方を熟知していて、それらを適切に使い分けられるから上手く打てると考えがちかもしれませんが、さにあらず。
「イースタン」というグリップ名すら知らないプロは、ごまんといます。
むしろ一般プレーヤーの方が、そうした「知識」については豊富です。
問題はまだほかにもあります。
意識すればするほど、ボールに集中できなくなるばかりか、動作がギクシャクするのです。
たとえば呼吸。
これを読んでいる最中の呼吸は、「無意識」だったと思います。試しに今から、「吸って・吐いて」を、「意識」してみてください。
「無意識」でやっていた時に比べて、少なからず「息苦しさ」を覚えるはずです。
呼吸ですら、ギクシャクします。
グリップの握り方や、テイクバックや、体の向きなどを意識すればするほどギクシャクしまくるというのが、テニスコートにロボ化するビギナーが量産される理由です。
テニスだけに限った話ではありません。
野球もゴルフもサッカーもバドミントンも卓球も、持ち方、振り方、蹴り方などの「フォーム」ばかりが指導されるから、多くの才能がスポイルされています。
体育の上手かった子どもって、ヤンチャなイメージはないでしょうか?
それは先生の説明なんか聞かずに、自分の感覚でチャッチャッとやってしまうからです。
一方真面目な子どもほど、先生が言う「ヒザを高く上げましょう」「腕を大きく振りましょう」などの指導を真に受けるから、才能がスポイルされた。
日本のスポーツ指導の全体が、こういう構造になっています。
そもそも小学校の先生には、教育実習を受けて大学を出たばかりの人もいて、スポーツの指導について本格的に学んだ経験は、ないとは言わないけれど、少ないでしょう。
英語の先生なのに「英語を話せない」というのにも驚きますが、私が中学生のころ、新米男性教師がサッカー部の顧問になったのですけれども、その机の上には実用書『サッカー入門』が置かれていたのには震撼しました。
別に先生が悪いわけではなく、学校が悪いわけではなく、教育委員会が悪いわけでもなく、そういう構造になっています。
それと同じようにテニスコーチやテニススクールやテニスの実用書が、悪いわけではないけれど、そういう構造になっている。
話が脱線しましたが、ではグリップはどう持てばいいのかというと、形に正解なんてありません。
ロジャー・フェデラーも、ラファエル・ナダルも、ノバク・ジョコビッチも、みんな違います。
彼らの持ち方をマネれば同じようなボールが打てるというわけではもちろんありませんし、それと同様に、彼らの打ち方(フォーム)をマネれば同じようなボールを打てるというわけでも、もちろんありません。
グリップは、その人の骨格や筋力や手のひらの大きさや柔軟性、あるいは打つショットや球種などによって、違ってしかるべきであり、変わってしかるべき。
テニスレッスンでラケットの握り方を教えるテニスコーチでさえ、自分が試合に出る時には、グリップの握り方やテイクバックの仕方など、意識していないのです。
これを読んでいるご自身が修行者でもなければ、日常生活でいちいち、「呼吸のやり方」を意識しないのと同じです。
たとえば「テイクバックはコンパクトに」とはいうけれど、元世界1位のレイトン・ヒューイットは、わりと大きく引いていた。
「それは上級者だからできるんだ!」と言われるかもしれないし、そのとおりなのかもしれないけれど、だとしたらそれは、上手く打つための「本質」ではありません。
本質というのは、「上級者の場合は…」「初級者の場合は…」などと、切り分けられるものではないからです。
ではテニスが上手くなる本質は何かといえば「打球タイミング」です。
打球タイミングが合わなければ、初級者であろうと上級者であろうと、必ずミスしますし、打球タイミングさえピッタリ合うと、空間認知が正しければという前提を踏まえる必要はあるけれど、ショットは必ず成功します。
さて、フォーム指導はメジャーです。
「超」がつくほどメジャーなので、もはや常識であり、疑う余地すらない(のかもしれません)。
メジャーなメソッドは人気がある。
人気があるからメジャーとも言えるでしょう。
だからそのようなメソッドはすでに、多くの人が試しています。
一方のテニスゼロはマイナーです。
まだマイナーだから、ほとんどの人が試していない新しいメソッドといえます。
フォームは一切いじりません。
自身にとって持ちやすく、振りやすく、動きやすければオーケー。
だからギクシャクなどせず、最も自然体のプレーが今日から実現します。
おまけにボールがよりハッキリ見え始めます。
フォームを盲信する人は「形」にこだわるけれど、まさかテニス上達の本質が「時間(タイミング)」にあるとは、むしろ形にこだわるせいで、なかなか気づけずにいます。
せっかく楽しむために始めたテニス、その初日が「長く続く苦行の始まり」となってはあまりに残念。
メジャーのほうで結果が出ていなかったとしたら、ぜひマイナーなテニスゼロをお試しいただければと思います。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
https://note.com/tenniszero
無料メール相談、お問合せ、ご意見、お悩み等は
こちらまで
tenniszero.note@gmail.com