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テニス上達メモ127.あなたのテニスは「思考能力」or「条件反射」?


▶テニスがみるみる上手くなる方法


今回はたとえ話。
 
テニスが上達しない人は、「引き算」ではなく「足し算」をしてしまうと、テニスゼロではお伝えしています。
 
「テイクバックを速くする」
 
「横向きになる」
 
「ボレーはWのイメージで両腕を開け閉めする」
 
「スマッシュはすぐにラケットを担ぐ」
 
そういった意識することを「足し算」するのではなくて、何も意識しないように「引き算」すると、テニスはみるみる上手くなります
 
みるみる上手くなるとは具体的に言うと、上達スピードが圧倒的に速くて、上昇レベルがどこまでも高いのです。
 
早熟で「頭打ち」になってはいけないし、大器晩成と言っても晩年になってから上手くなるようでは、それまでのキャリアは「我慢の連続」を強いられます。
 

▶頑張れ、ガスケ!

 
ところでリシャール・ガスケは、9歳のころにはフランスのテニス雑誌『フランス・テニス・マガジン』の表紙を飾るほどの「テニスの神童」で、ジュニア男子シングルス部門では全仏と全米を制しましたが、プロ転向後のグランドスラムタイトルは「未冠」。
 
もちろん彼のテニスが「未完」とは言いませんけれども、個人的に大好きな選手ゆえ、38歳のこれからもまだまだGSを賑わせてほしいと願っています。
 
日本では、9歳の子どもがテニス雑誌の表紙を飾るなど、聞いたためしがありません。

「テニスの神童」ガスケが、「未冠の大器」となってしまいませんように
 

▶「4+4+4+4+4+4+4+4」vs.「シワ32!」


閑話休題。
 
足し算でテニスをするというのはたとえるならば、4×8を「4+4+4+4+4+4+4+4」と計算する思考型。
 
4×8を「4が8つだな」と論理的に考えて、「4+4+4+4+4+4+4+4」として答えを出します。
 
これが頭で考える能率の悪さです。
 
時間がかかるし、途中で間違えも犯しやすいでしょう
 
一方、上達スピードが誰よりも速くて、上昇レベルがどこまでも高い上達の2軸は「掛け算」です。
 
つまり「シワ32!」
 
回答を導くのに、考えません
 
頭で考えなくても、感覚的にぱっと一瞬で出てくるわけです。
 
「シワ32!」は、間違いようがないし、圧倒的に速いのです。
 
これが「感覚的テニス」のイメージ
 
これに対し「思考型テニス」では、たとえば「肩を入れろ」「横を向け」「手首を返せ」「腰を回せ」などといった具合に、「4+4+4+4+4+4+4+4」をやってしまうのです。
 
フォームを意識しながらプレーするように教える常識的で、大多数派のテニス指導法です。
 
そしてナイチンゲールは言ったのでしたね。

大多数の意見は、いつだって間違っている
 
こうたとえると、いかに「思考型テニス」が遅く・間違えやすい一方、「感覚的テニス」は速く・間違えないかが、イメージしやすいと思います。
 

▶感覚的テニスは「あみだくじ理論」


「思考型テニス」と「感覚的テニス」とは、これほどまでに違うのです。
 
そしてこれが、体で運動を覚える「小脳運動機構」による「あみだくじ理論」に、そっくりたとえられるのです。
 
つまり神経細胞間の脳内サーキットに走る「運動の電気信号」が、脇道へ逸れません。
 
「あみだくじ」でいえば横棒を取り除いて当たりくじまで一直線だから、速いし、間違えないのです。
 
「シワ」と聞けば、ストーンと一直線で「32!」
 
「シワ26」や「シワ50」だと、違和感を覚えて気持ち悪いですし、「4+4+4+4+4+4+4+4」だと、どうしても遅くなるのです。

小脳は人間の運動機能を司り、条件反射に大きく影響しているといわれている

電気通信大学 電気通信学部 情報通信工学科 西野哲朗研究室

▶「パブロフの犬」は超優秀

 
掛け算は、条件反射です。
 
シワと聞いたら、「4+4+4+4……」などと考えるまでもなく「32!」がでてきます。
 
条件反射といえば「パプロフの犬」。
 
ロシアの科学者パブロフは、ベルを鳴らして犬に餌を与える実験を繰り返します。
 
やがて犬は、ベルの音を聞くだけで唾液を出すようになりました。
 
ベルが鳴ったら体が具体的に反応する脳による学習です。
 
「ベル=餌」が紐づけられたのです。
 
条件反射は、先天的に備わる無条件反射と違って、後天的に身につきます。
 
テニス上級者になるには、この条件反射を後天的に癖づければいいのです。
 

▶テニス上級者になるための「条件反射」とは?


テニス上級者になるための条件反射とは何か?
 
テイクバックをコンパクトにすることや、打点を体の前にすることではありません。
 
「ボールへの集中」です
 
つまりプレーが始まったらすなわちボールへ集中するように、紐づければいいのです。
 
もとい。
 
インプレーがサーバーの打球時からスタートするのだとしたら、プレーが始まるその前から、条件反射的にボールに集中するのです。 

そうすれば「シワ32!」
 
そのプレーは速いし、間違えようがありません。
 
それが、速さと高さの「上達の2軸」となって達成されます。

▶結論・テニス上級者は、体が勝手に反応する


テニス上級者は、「パブロフの犬」と同じように、条件反射を持っている。
 
ボールが目に入ったら、回転や毛羽を見る条件反射を。
 
「ボール=回転」が紐づけられれば、唾液を出そうと頑張らなくても、体が勝手に反応するというわけです。

即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero