テニス上達メモ007.テニスは「案ずるより産むが易し」で案外上手くいくものだ
▶練習だと打てるのに、試合になると打てなくなる不思議?
ボレーでもリターンでもストロークでも、「自分が捕れそうもない厳しいコースに飛んでくるかもしれない」「とても速いボールが飛んできて打ち返せないかも」などと、プレーが始まる前にモヤモヤと考えてしまう不安はないですか?
あるいは相手にボールを打たれる瞬間に、「ヤバイ!」などとよぎったりしませんか?
それこそ、ショットを難しくしてしまっている原因です。
特に、「練習だとのびのび打てるのに、試合になるとなぜだか打てなくなる」という人は、シチュエーションとしてそういうふうに考えやすくなるのが試合である、という因果が疑われます。
▶「立場を逆にする」と見えてくること
相手へチャンスボールを送ったからといって、「ヤバイ!」わけではありません。
こちらでも述べているとおり、テニスは逆の立場で考えてみると、分かりやすいのです。
自分がストローカーのとき、相手のストレートは抜けないような気がする。
自分がボレーヤーのとき、相手にストレートを抜かれそうな気がする。
シチュエーションはまったく同じなのに、なぜそのような感じ方になるのでしょうか?
のちほど「コップの水理論」で取り上げたいと思います。
▶チャンスボールが来たから「よっしゃー」!?
ストレートの話と同じように、立場を逆にすると見えてくる。
チャンスボールを相手に送ったからといって「ヤバイ!」わけではありません。
それは、自分にチャンスボールが飛んできたからといって、「よっしゃー」とばかりに、必ずしも決められる自信がないのと同じです。
むしろ「よっしゃー」と打ち急いで、打ち損じるプレーヤーが散見されます。
▶「気難しいお客様だから失敗するかも……」とイメージすると、実際に失敗する
「難しいところを狙われそうだ」「速いボールを打ち込まれるかも」と怖れる精神状態が、体を硬くして動きを鈍らせたり、スイングをぎこちなくしたりしてしまう。
テニスは、コンマ数秒のタイミング合わせがショットの成否を分ける競技ですから、ちょっとしたぎこちなさが致命傷につながりやすいのです。
テニスに限らず、一事が万事です。
「自分の解けない試験問題だったらどうしよう……」
「これはきっと難しい案件に違いない……」
「気難しいお客様だから失敗するかも……」
そのような精神状態では、出せる実力も出せなくなるでしょう。
「気難しいお客様だから」と怖れ(=嫌い)ながら接するおどおどとした雰囲気が、相手のお客様にそれとなく伝わり、結果として「失敗するかも……」という結果を、現実として招いてしまいやすいのです。
▶案ずるより産むが易し
「案ずるより産むが易し」と言われます。
「捕れないところになんて、そうそう来ない」
「速いボールが来ても、まぁ何とかなるだろう」
このような心持ちでいるとリラックスできて、実際、スイングもなめらかになります。
たとえ本当に難しいところへ飛んできたとしても、リラックスできていれば上手く打ち返せる可能性は高いものです。
▶コーチの「優雅なラリー」、そのわけは?
逆に「捕れそうもない遠いボールが飛んでくるかもしれない」「速いボールが飛んできそうだ」などと身構えると、勇み足というか、無駄に動きすぎてしまって、アマチュアほど、ドタバタと忙しい印象。
プロやコーチがテニスレッスンで生徒さんとラリーに応じるとき、特に足をバタバタ動かす様子もなく、優雅な動きでプレーしている様子を見かけたことがあるのではないでしょうか?
ですがコーチこそ、初心者を相手にする場合は球が散らかって飛んでくるから、「捕れそうもないところに飛んできたらどうしよう」なのです。
コーチは生徒さん相手に、自分から先にミスできませんからね。
だけどそうはならないのです。
「案ずるより産むが易し」
「事に挑むにあたって心配事は尽きないが、実際に行なってみると案外たやすくできてしまう」という慣用句の真意は、表面的な励まし・なぐさめというよりも、心理的かつ生理的にリラックスできる心身の働きにより、実利的な結果が伴う理を表わします。
▶物理的には「まったく同じ量」でも、視点を変えれば180度見方が変わる
もちろん、たやすく考えていたら、実際は案外難しかったという逆の場合もあるでしょう。
コップの水が「半分しかない」と見るか、「半分もある」と見るかの違い。
のどがカラカラの場合は、「もう半分しかない」と見るでしょうし、お腹がタプタプで飲み切れない量を飲み干さなければならない場合は、「まだ半分もある」と見るでしょう。
物理的には「まったく同じ量」でも、視点を変えれば180度、見方が変わる「コップの水理論」。
「半分もあるぞ!」などと主観的に考えるポジティブシンキングではありません。
状況によっては、ピンチをチャンスに変えることができる客観的な可能性を示唆します(あるいはチャンスをピンチに変える可能性も示唆しています)。
自分の置かれている状況や立場が、「カラカラ」か「タプタプ」かで、物事の見方・捉え方に対する反応が具体的に変わるということ。
だからこそ、「捕れないかも…」などと考えるのは、ナンセンスです。
▶「ほーら、やっぱり捕れなかったわ!」で安心したい心理
もちろん、「最悪の状況を想定しておく」というリスクヘッジの考え方もあるでしょう。
「捕れないかも……」と事前に成功を回避しておくのがそれに該当。
その結果、捕れなかったら「ほーら、やっぱり捕れなかったわ!」と心理的にダメージを軽減する役割はあります。
だけど、「ほーら、やっぱり捕れなかった」のリスクヘッジで安心・納得できたとして、何の利があるでしょうか?
▶心理的リスクヘッジで損なう「自己肯定感」
「やっぱり自分はこの程度の捕れない人間だ」と信じるイメージを、いたずらに強化してしまうだけなのです。
自己肯定感を損なう。
確かに、リスクヘッジしたくなる気持ちは分かります。
だけどそれで上手くいっていないのだとしたら、「コップの水理論」で視点を変えてみるのも手です。
▶それは「自虐」です
繰り返しになりますが、特に練習ではのびのび打てるのに、試合になると打てなくなるという人は、「難しい」「怖い」「捕れないかも……」などと、自分で自分を追い詰める「自虐」により、ショットを現実以上に難しくしてしまっている可能性があります。
案ずる思考は、「どこまでいってもキリがない」ですからね。
やろうと思えばどこまでもショットを、現実以上に「難しくしてしまえる」のです。
▶心に「お守り」を忍ばせる
そんな場合も、このお守りを心に忍ばせておけば、大丈夫。
「案ずるより産むが易し」
●心身ともにリラックスできます。
●案じて動けなくなる「凍てつき」「こわばり」を緩和します。
●行動することが怖くなくなります。
●それにより、結果が伴いやすくなります。
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(テニスゼロ)
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