質問086:伸びのあるバックハンドスライスを打つには?
回答
▶思考を黙らせて、運動を感覚に委ねれば上手くいく
せっかくサーブで、考えないようになって、スピンやスライスをある程度コントロールできるようになったというのに、バックハンドスライスについてまた、あれこれ考えますか?
かのマイケル・ジャクソンは言いました。
「踊るときに考えるのは最大のミス。感じることが大切」と。
かのブルース・リーも言いました。
「考えるな、感じろ」と。
かの「インナー ゲーム」シリーズでは、セルフ1とセルフ2が出てきて、「セフル1を黙らせて、セルフ2に任せると、自然上達が起こる」と説明されています。
ニュアンスとしては、セルフ1が「思考」で、セルフ2が「感覚」です。
では、どうやって湧き起こる思考を黙らせて、運動を感覚に委ねるかを、5歳の子どもでもできるようにアレンジしたのが『究極のテニス上達法』というわけです。
▶0.1秒前の景色は見えないし、0.1秒後の音も聞こえないのだから
「どれだけリアルタイムに思えたとしても、考えるとは、0.1秒前でも0.1秒後でも、必ず過去か未来について」「一方感じるとは、今しかできない」
こう説明したのは、かのテニスゼロでした(笑)。
0.1秒前の景色は見えないし、0.1秒後の音も、私たちは聞くことができません。
1分前の味について思い出せるのは、「感覚」ではなく「思考」なのです。
つまりフォームについて考えるのは、「あのとき、ああだった」「これから、こうしよう」などという過去か未来について。
ですがテニスというのは、今・ここ・この瞬間のボールに、リアルタイムで集中しなければ上手くいきません(理由は後述)。
ですから、考えるのではなく、感じることが大事なわけですね。
▶テニスでミスする原因は、「たったひとつ」
今・ここ・この瞬間に集中しなければ上手くいかない理由は、テニスでミスする原因は、「たったひとつ」だけだからです。
すなわち打球タイミングが、早すぎたか、遅すぎたか。
換言すればその早すぎたか遅すぎたかの間の、今・ ここ・この瞬間のタイミングでインパクトすれば、イメージするとおりの打球になります。
つまり伸びのあるボールのイメージがあり、今・ここ・この瞬間の打球タイミングでぴったり打てば、伸びるボールになるのです。
ボールが浮いてしまうというならば、ご指摘いただいている「グリップエンドから落とすフォーム」に原因があるのではなく、打球タイミングが、今・ここ・この瞬間からズレたからなのですね。
▶かのシュテフィ・グラフを否定?
それが証拠にかつての女王であり、男女を通じて唯一の年間ゴールデンスラマーであるシュテフィ・グラフはまさにご指摘のとおりの、「グリップエンドから落とす」ようなスイングで、伸びのあるスライスを打っていました。
ゴールデンスラムは、四大大会に加えて、4年に一度しか開催されないオリンピックも制する偉業。
生涯を通じたキャリアゴールデンスラムの達成者には、アンドレ・アガシ、ラファエル・ナダル、セリーナ・ウィリアムズが名を連ねますが、その年の1年の間にすべてのタイトルを獲る年間ゴールデンスラムの達成者は、未だにグラフだけ。
ロジャー・フェデラーも、ノバク・ジョコビッチも、マルチナ・ヒンギスも、車イス部門も含め絶対王者の国枝慎吾もなし得ていません。
そんなグラフの打ち方を、ありていに言えば「否定」していらっしゃいます。
「それでは伸びのあるボールにならない」と。
「浮いてしまう」と。
ある打ち方を肯定すれば、ある打ち方が否定されます。
ですから打ち方(フォーム)には、「正解はない」のです。
なのにテニススクールやユーチューブの動画レッスンなどでは、打ち方やフォームにいちいち○か×かをつけるから、話がおかしくなっているのです。
▶グラフのように打っても、グラフの打つようなボールにはならない
ですからもちろん、「そうしてください(グラフのようにグリップエンドから落としてください)」などと、言いたいわけではありません。
当然ですが、グラフのように打っても、グラフの打つようなボールにはなりません。
フォームというのは、プレーヤー個々の関節可動域や柔軟性、筋力、グリップの微妙な違い、あるいは単なる癖に基づき現れているだけだから、フォームは、イメージどおりのボールが打てるかどうかとは、一切関係ないのです。
ところが常識的なテニス指導ではあたかも、「グラフのように打てば、グラフの打つようなボールになる」というムチャ振りで畳みかけてきます。
では仮に「フォームが関係ないなら、後ろを向くようなムチャクチャなフォームでもイメージどおりのボールが打てるのか?」などと極端な反論をしてくる人もいます。
けれども、そんなムチャクチャなフォームになろうとするのも、あえて「意識」しなければできないはずですから、普通に打てばそれなりの合理的なフォームに、「なる」ものなのです(「する」のではなくて)。
▶「テニスネイティブ」になるための「言語化しない」メソッド
考えないためには、「言葉にしない」というのも大事ですね。
「テイクバックが…」「インパクトで…」「フォロースルーを…」などと言語化する内容は思考である以上、見てきたとおり必ず「過去」が「未来」について。
ですから、言語化しない。
英語を聞いていちいち日本語に変換しようとするのではなくて、英語のままダイレクトに理解するかのごとく「テニスネイティブ」になれるのが、このメソッドなのですから。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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