テニス上達メモ056.振り回し、1000本ノック、1000球ラリー。その心は、悟りの修行!?
▶1000球ラリーをシミュレーション!
無我夢中でプレーする。
思考のフィルターを通さないから、体はなめらかに、よどみなく動きます。
そういう意味では、昔やらされた「振り回し」のシゴキも、「根性試し」の名目のほか、体力を吸い取って思考停止状態になる境地を体験する「修行」だったのかもしれません。
野球でいう、1000本ノック。
テニスでは、1000球ラリー。
その過程では、いろんな思いがよぎります。
たとえば人によっては、こんな感じ。
100球を超えたあたりから、ノってきて心も体も緊張がほぐれ出す。
300球を超えたあたりから、まだ先の長さに不安を覚えつつも、ボールと体とのシンクロを実感。
500球を超えてくると思考停止状態となり、ボールしか見えなくなる。球速がゆっくりに感じる体験もする。
しかし700球を超えたあたりから、ミスの心配も脳裏をかすめる。
いよいよ900球を超えてくると、緊張とリラックスのバランスが激しく動揺。
1000本達成で苦しみから解き放たれ、悟る。
もちろん、試合でラリーが1000球に達する展開は、まずないでしょう。
だからといって、役に立たないわけではありません。
▶チョロくなる
たとえば自動車で出せる最高スピードの設定が時速180キロメートルだとする。
道交法の制限速度を上回るからといって、そんな高出力が、役に立たないわけではありません。
平坦な道路で時速180キロメートルを出せれば、時速100キロメートル走行は、チョロくなる。
エンジン出力と車体の安定性が、高い水準で保たれるからです。
日本自動車工業会によると、平均的な乗用車で高速道路の最大6パーセントの勾配を時速100キロメートルで登るためには、平坦な道路を時速180キロメートルで走れるパワーが必要と算出しています。
▶体の動きに委ねるプレーが現れる!
テニスでも、1000球ラリーまで出力を高められると、10球ラリーなどチョロくなる。
厳しいシチュエーションに対応するためにも、高い水準が装備されているからこそ、しのげるのです。
断言しますが、フォームなどを「意識」していたら、1000球ラリーはまず達成できません。
換言すれば、1000球ラリーを達成するには、どうしても思考停止状態を通過するから、オートマチックな体の動きに委ねるプレーが現れるのです。
そしてその過程においてはシミュレーションしたように、緊張とリラックスのバランスが激しく動揺したりする心理的変化を、否応なしに経験します。
▶質より量? 量より質?
もちろんそれとは反対の取り組み、「量より質」との言い分もあるでしょう。
いたずらに量をこなすよりも、1球1球の質の高さを追求せよ、と。
ダラダラ10球続けるよりも、集中して打つ1球こそ大事だと。
しかし1000を数えるような「量稽古」をこなすと、体で覚えるから、結果的に質的向上が達せられます。
▶英会話「3000時間の壁」
英会話も、耳で聞いて、口と身振り手振りで話す体を使った「体育」だと、私は言っています(参考記事:テニスと英会話のそっくりすぎる共通点と、「10倍速超」の習得法)。
知識として覚える文法などのフォームは、テニスと同じく「後づけ」にすぎません。
それよりも、まずはブロークンなカタコト英語でいいから、恥ずかしがらずに聞けて話せる心と体を作るのが先決です。
社会人が英会話を習得するまでの目安として、3000時間が費やされると言います。
そのためには、1日に3時間、ほぼ毎日勉強したとして、約3年の量稽古が必要。
これを省略するのは、何人たりとも免れません。
三日坊主では、何を言っているのかさえサッパリ聞き取れない。
半年や1年では到底突破できない壁が、そこには立ちはだかっています。
まして、体をダイレクトに使ってプレーするテニスや野球なら言わずもがなでしょう。
▶古きを温めて新しきを知る
テニスの「振り回し」も野球の「1000本ノック」も、シゴキなどとも揶揄され、近ごろはあまり見かけなくなりました。
ややもすれば時代遅れの感も否めないのかもしれない。
しかし、コスパ、タイパなとといって効率を重視する今の風潮にはない伝統の知恵が、そこにはあったのです。
むしろ「急がば回れ」で、こういった従来のやり方を見直す温故知新こそ、コスパ、タイパになっていたりするのではないでしょうか。
指導と称した感情的なシゴキが必要などと、推奨したいわけではありません。
だけど、合理的な理由はよく分からなかったけれど、確かに継承されてきた効果だけは体験的にあった。
100本や200球のラリーだけではまだまだ出てこない未知の世界が、そこにはあるのです。
▶今日からまた、新たな人生が始まる!
「1000球なんて、続くはずがない!」などといってトライしないのは、完璧主義すぎます。
だれだって最初から成功するはずがありません。
ちょうどいい機会ですから、「一年の計」として、この年始をきっかけに試してみては?
今日からまた、新たな人生が始まります!
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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