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質問141:「セカンドサーブ」が上手く打てない

ファーストサーブとセカンドサーブの切り替えがうまく出来ず、ファーストはいいんですがセカンドは回転がかからずに、ファーストみたいになってしまいます。なにか良い方法はありませんか?

回答


▶テニスは「左右」より「深さ」が難しい

 
ご自身のセカンドサーブを実際に見たわけではないので憶測になりますけれども、コントロール上の問題があるのは恐らく、「左右」ではなく「深さ」ではないでしょうか。
 
左右の方向性は、ある程度つけられる。
 
だけど深さが安定せず、オーバーしたりネットしたりと苦慮されているのではないかと想像します。
 

▶セカンドサーブの安定は「深さ」が鍵

 
テニスは、左右よりも深さのコントロールのほうが何倍も難しいスポーツ。
 
であれば、左右にもまして、深さを打ち分ける練習を何倍もします。
 
サーブの練習でよくあるのが、センターとワイドに的を置いてコースを打ち分ける練習
 
もちろん練習の目的にもよりますけれども、差し当たってはそれよりも、手前と奥に的を置いて深さを打ち分ける練習をしたほうが、サーブを安定させるにあたっては何倍も効果が上がります。
 
そうして深さをコントロールする感覚を身につけることが、セカンドサーブ習得のポイントです。
 
ですから、サービスライン上と、サービスラインよりも内側にターゲットを設定。
 
さらに練習では「ルールに縛られないようにする」のもコツです。
 

▶フェデラー「ウイリアム・テル」になる

 
つまりサービスボックスに入れることを目的とするルール上の既成概念を、ひとまず脇へ置いておきます。
 
なぜなら、ルールに縛られずに狙う感覚が、結果的に、サービスボックス限定のコントロール力ではなくて、「自由自在のコントロール力」につながるからです。
 
ウイリアム・テルよろしく、頭上の的を打ち落とすような離れ業は、サービスエリア限定の練習にとらわれては、できるはずもありません

https://youtu.be/ZT3bsV7UoT8?t=78

▶あえて「ミス」にチャレンジする


具体的にはどうすればいいかというと、先の2箇所に加えて、サービスラインの奥(フォールトする深さ)にも的を置いて練習します。
 
相対性の世界だからです。
 
料理の味付けと同じで、濃すぎる、薄すぎる味が感覚的に分かるから、ちょうどの味つけができるようになります
 
そのためには、あえて濃すぎたり薄すぎたりするミスに、あえてチャレンジするのです。
 
それが、サービスラインの(手前や)奥も狙う練習。
 

▶「遠く」を狙えば近くは「簡単」に感じる

 
特に遠くを狙えるようになると、手前(サービスライン)は近いから、より簡単に狙いやすく感じるでしょう。
 
奥を狙えるようになることで、手前の距離感が、感覚的につかみやすくなるのです。
 
この狙いやすいと感じる「安心感」がセカンドサーブです。
 
ですが「オーバーフォールト=ミス」に縛られると、このチャレンジができないのです。
 

▶ボールは「時間」がコントロールする

 
ちなみに、ボールをコントロールするメイン要素は「時間」です。
 
つまりトスアップしたボールを「いつ打つか(打時)」により、深さのコントロールも感覚的に打ち分けられるようになります

なのでご質問にある「回転がかからずに」というのは、「いつ打つか」によりコントロールされるサブ要素。
 
「いつ打つか」により、結果的に回転量もコントロールされますけれども、だからといって「回転をかけよう」と意識すると、肝心な打球タイミングを喪失するのでご注意ください。
 
回転をコントロールする練習は「回転の味見」で、深さのコントロールとはまた別に行うようにします。
 

▶「自由自在」のコントロール力

 
サーブの練習というと、サービスボックス内に入れることだけを目的としがちです。
 
だけどこれでは、なかなか自由自在のコントロール力は身につきません。
  
野球のコントロールでも、ストライクゾーンに投げる練習だけをすることを想像すると、型にはめすぎて器が広がらないことがお分かりになると思います。
 
それよりも、キャッチボールや遠投等を通じて、いろんな所を感覚的に狙えるようになるコントロール力を養成するほうが、遠回りのように思えて、ストライクを正確に投げられる早道。
 

▶セカンドサーブは「後がない」から……

 
プロテニスプレーヤーはサーブのアップでよく、わざとロングするボールを打つようなこともやります。
 
もちろん、大きく腕を振る「肩慣らし」の目的もありますが、感覚的な「距離感のウォーミングアップ」にもなっているのです。
 
「オーバーフォールト=だめ」ではありません。
 
繰り返しになりますが、オーバーフォールトも狙えるコントロール力があれば、より近い手前のサービスボックスは感覚的に簡単に狙いやすくなる安心感が出てきます。
 
それがないとセカンドサーブは「後がない」から、いつも不安でそれがボールへの集中力を落として手元の打球タイミングを狂わせる原因になる(※セカンドサーブに限った話ではありませんが)。
 

▶「辛口」「甘辛」の味付けができるように


私はよく、「的を置かない練習は練習とは言わない」とお伝えしますが、的はコントロール力を高める魔法のようなアイテムです。
 
サービスボックスという的では広すぎます。
 
コーンの1点へターゲットに的を絞ることで、料理で言えば「美味しいか、美味しくないか」だけではない、「ちょっと辛口にしたり甘辛くしたり」といった繊細なコントロールができるようになるのが上達です。

即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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