質問050:相手のボールの深さにうまく対応するにはどうやったらいい?
回答
▶サービスラインは「何のため?」
「サービスラインは、何のためにあるのでしょうか?」
当たり前ですが、対戦相手の打ったサービスが、サービスボックス内に入ったかどうかをジャッジする基準としてあります。
テニスのルール上は、こう答えるのが正解。
でもプレー的には、こうも答えることができます。
「相手のボールの深さを、ジャッジする基準として役立てるためにある」とも。
つまり、対戦相手の打ってきたボールがどのくらいの深さなのか、またどれくらい弾んできそうなのかを、サービスラインを基準に感覚的に把握するツールとして役立てられるというわけです。
もちろん、相手が打つボールのスピードや威力、弾道の高低、あるいはトップスピンかスライスかフラットかなどの球種の違いによっても、バウンド後にどれくらい弾んでくるかの距離感はそのつど変わりますけれども、ひとつの目安として役立てられ、それにより弾んでから打つまでの間(ま)を、感覚的に判断できるようになるから、打球タイミングが合いやすくなるのです。
▶バウンド地点(ボール)を見ていない
不慣れなうちは、飛んでくるボールを見ているつもりでも、それがどの地点でバウンドしているのか(つまりボール)を、見られていないケースが多々あります。
なぜ、バウンド地点を見られないのでしょうか?
それは、「テイクバックを早く引かなきゃ!」とか、「打点は体の前に取るんだ!」などと、打ち方やフォームについて、意識しながらプレーしているからです。
そうすると、頭の中の考え事に注意を奪われるため、ボールがどのくらいの深さでバウンドしているかはおろか、時間をかけて飛んでくるボールの飛行過程全体すら、見られなくなります。
人は、たとえば簡単な足し算をしている最中に「今朝は何を食べたの?」と聞かれただけで計算ができなくなるくらい、マルチタスクが苦手です。
ですからフォームについて意識すると、ボールを見られなくなるのです。
▶相手のボールが「あっという間」に飛んで来る理由
時間をかけて飛んでくるボールの飛行過程全体すら、見られなくなると述べました。
すると、相手に打たれたと思ったら、その直後にボールが自分の手元にまで飛んで来ているような錯覚すら覚えます。
これが、一般プレーヤーが、まったく余裕がないような慌ただしい対応になってしまう理由です。
▶サービスラインを「深さの基準」として役立てる
今は、サービスラインを深さの目安として役立てずに、何となく「深いかな?」「浅いかな?」などと漠然だったりしているというのが、ご相談いただいているお悩みについての原因です。
多くの一般プレーヤーも、次のような役立て方なら、普段から慣れ親しんでいるはず。
たとえばダブルスで前衛を務めるとき、本来ならどこに立ってもいいはずですが、サービスラインを目安にその前後あるいはライン上にポジショニングすると、基準が定まるから、慣れないうちは守りやすかったりしますよね。
そんなイメージです。
それと同様にサービスラインを、相手のボールの距離感を測る基準として役立てることで、深さの対応に慣れる初歩的な感覚を身につけられる可能性があります。
サービスラインを、単に相手のサービスが、サービスボックス内に入ったか入らなかったかを判断するルール上の基準としてのみならず、深さを測るためにプレー上のツールとして役立てる。
▶ズバッと強く「見てはいけない」
もちろんラインに気を奪われてはボールそのものに集中しづらくなるから、あくまでも初歩的な手習いとしてのご提案ですけれども、ボールそのものを見ていれば、ラインからどれくらい前後の深さにバウンドしたかは分かります。
ただし、バウンドの一瞬だけをズバッと強く見るようなボールの見方は、おすすめではありません。
そうすると、その前後が見られなくなるからです。
それは頑張っていて、自然体ではないのです。
頑張ってはいけません。
そうではなくて、行き交うラリーの全体を通じて「平均的な強さ」でズーッと見るようにし、そのなかに、バウンドを見出すようにしてください。
「インパクトの瞬間だけはよく見よう!」などとするのではなくて、遠くから飛んでくるボールも、遠くまで飛んでいくボールも、同じ強さで最初から見続け、最後まで見届けます。
▶まとめ・「押しなべて平均的に」見る
まとめますと、深さの捉え方がまだ不慣れなうちは特に、サービスラインを、相手ボールの深さを測るツールとして役立てる。
またボールの見方は、「ズバッ」と強く一瞬ではなく、「ズーッ」と押しなべて平均的に。
そのような工夫により、深さの対応に慣れる初歩的な感覚を身につけられる可能性があります。
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