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青と白の世界で

外吹く風がなんとなくあたたかくなってきて
マフラーを巻く力がゆるむことへの喜び半分、花粉の影がすぐそこまできていることに薬をにぎりしめてびびりちらかすこと半分、なponです。


2月は最寒月
お気に入りのカフェで国家試験へむけてラストスパートだと準備をすすめていると、冷たいすきま風が身体にしみる。カフェラテをすすって、これだけ勉強に向き合うのは大学以来久しぶりだなーなんて思いながらあのときを振り返る時間になるのが少しうれしい。

勉強まみれ、毎日の課題、毎週の試験準備に追われていた大学留学時代。
カフェインにすがっていた限界学生で、パソコンの横にコーヒーがないと落ち着かなかった。ある日友人にすすめられて飲んでみたフレーバーコーヒーに度肝を抜かれたのもこの頃。
なんの変哲もないコーヒーだけどマカダミアナッツフレーバーで、甘いナッツの香りが特徴的。甘い香りにしっかりビターなギャップに驚いた。それ以来、冬になるとホットコーヒーにはマカダミアナッツフレーバー一択。この香りをかぐとハードでも充実していた毎日を思い出す。


フレーバーコーヒーで今一度頭が冴えたらまた勉強
当時は人間の身体ことを勉強していた。身体の神秘。人体の不思議。どんな生きものも、途方もない数の細胞やそれぞれの内臓機能が生命バランスを保つために同時にはたらいている。そんなシステムをひとつひとつ理解しようと教科書とにらめっこする自分。勉強に疲れてまたコーヒーをすすれば「なにやってんだかなー」なんて膨大な情報量を前にうちひしがれて、それでもそんな謎だらけに魅了されて。

ほぼ住人と化していた学内図書館は、窓が大きくて陽当たりもよく居心地がいい。冬は澄んだ青空につもった雪が映えてきらきらとまぶしいのもまたお気に入りだった。吹雪いてしまう日は玄関も開けられなくなるほどだけど。自然の前では人体の神秘的な事実さえも無力であることを痛感するのも、3日は身動きがとれなくなるのもあの時の自分には面白かった。

人間観察もおもしろい。授業間で移動中の学生たちが窓越しにみえると、他学部のまだ知らない生徒や教授、かと思えば毎日顔をあわせるクラスメイトがひっきりなしに通りすぎていく。多種多様な個人があつまってできるコミュニティはみんなで創りあげるhomeだった。

−20度の世界は枝がりんご飴みたいになってた


複雑なシステムがからみあっている体内も社会も
複雑なようで単純で、単純にみえて果てしなく複雑で
それでいて自然を目の前にするとどちらもちっぽけで無力。


自分の小ささも、世界の狭さも
人間の可能性の大きさも、自然の壮大さも
全部をあのキャンパスの青と白の世界で感じることができた。


それすらもほんの小さな体験にすぎないけど
いま目の前にあるものに真摯に向き合うこと、驕らないこと、なにごとにも感謝の気持ちを忘れないことを肝に銘じて。
新しい発見をたのしみながら、わくわくな毎日をつみかさねていこう。

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