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与えて、与えて、与えまくる
私は、与える人になる。
迷いも、ためらいもなく、与える人になる。
手のひらから流れる水のように
風が花びらを運ぶように
惜しみなく、ただ与える。
与えることは、誰かのためだろうか。
そうじゃない。
与えることは、私自身を満たす行為だ。
誰かの笑顔に火を灯しながら
私の胸の奥にも、知らなかった光がともる。
もちろん、与えるのは簡単じゃない。
疲れてへとへとで動けない日もある。
「もうこれ以上は無理」と思う時もある。
でも、そんな日でも、こう自分に言い聞かせる。
今日だけでいい。
今日一日、与えてみよう。
誰かに優しい言葉をかける。
小さな親切をひとつ差し出す。
目の前の人の話を、全力で聞いてみる。
それだけで、世界が少しだけ明るくなる気がする。
与えるのは、特別なことじゃない。
大きな犠牲も、大げさな覚悟もいらない。
私が持っているものを
できる範囲で分け合うだけ。
それは、笑顔かもしれない。
励ましの言葉かもしれない。
時には、時間かもしれない。
時には、知恵かもしれない。
小さなプレゼントのようなものかもしれない。
与えると、不思議なことが起こる。
与えた分だけ空っぽになると思いきや
心がじわじわと満ちていく。
与えれば与えるほど、自分が広がっていく。
そして気づくのだ。
与えることで、実は自分自身を
どれだけ豊かにしているかを。
だから、私は与え続ける。
明日のことはわからないけど
今日だけでいいから、与えてみる。
与えて、与えて、与えまくる。
これは、私の自己宣言だ。
私が決めた生き方だ。
そして、夜が静かに訪れるころ
私はふと目を閉じ、今日という日を思い返す。
「ああ、今日も誰かの心に、ひとしずくの光を届けられただろうか。」
与えたものの大きさや形はどうでもいい。
誰かの目に映る笑顔や
心に芽生えたぬくもりが
そっと私を包み込んでくれるから。
そうして私は感じる。
与えることで、私もまた与えられている。
この胸の奥に溢れる充実感。
これ以上ない幸せをもらったのだ。
「今日も、よく与えたね。」
そう自分にそっと語りかける。
明日も与える喜びが光となり、私を包むだろう。
まっさらで清々しい明日が待っている。
そう信じながら
明日を楽しみに胸を弾ませて
頬を緩めて
心穏やかに
そっと瞼を閉じる。
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