身体の糖化やアルデヒド化を防ぐ、加熱に強い油のランキング(生体ホルモンへの影響が少ないもの)
身体の糖化によって、認知症やお肌のシミ、シワ、体の不調や炎症が起きやすくなります。今回は、糖化やアルデヒド化、アクリルアミド化を防ぐ、加熱に強い油を調べてみました。
揚げ物が健康を損なう!?食用油のアクリルアミド化とアルデヒド化
食用油に関して、アクリルアミド化とアルデヒド化は、特に加熱時に関連し、それぞれ異なる現象を指しています。
アクリルアミド化
アクリルアミド化に関しては、食用油そのものが直接アクリルアミドを生成することは少ないですが、揚げ物や焼き物で高温調理をする際、食材(特に炭水化物を含むもの)が食用油中で加熱されるとアクリルアミドが生成されることがあります。
例えば、ポテトチップスやフライドポテトなど、炭水化物が豊富な食材を高温で揚げると、アクリルアミドが生成されるリスクが高まります。
アクリルアミド化は、食品中のアミノ酸(特にアスパラギン)と還元糖(グルコースやフルクトースなど)が高温(120℃以上)で反応することで生成される化合物です。
特に以下のような食品で発生します。
ポテトチップスやフライドポテト
クッキー、クラッカー、トースト
コーヒー
シリアルやビスケット
アクリルアミドが原因となる病気やデメリット
発がん性のリスク: アクリルアミドは国際がん研究機関によって「ヒトに対しておそらく発がん性がある」と分類されています。動物実験では、アクリルアミドがDNAを損傷し、がんを引き起こす可能性が示されていますが、ヒトへの影響はまだ完全には解明されていません。
神経毒性: 高濃度のアクリルアミドにさらされると、神経系に影響を及ぼすことが報告されています。これにより、神経の損傷やその他の神経障害が発生する可能性があります。
遺伝毒性: アクリルアミドはDNAにダメージを与え、遺伝子変異を引き起こす可能性があるため、遺伝毒性を持つとされています。
アルデヒド化
アルデヒド化については、食用油が加熱されると、特にポリ不飽和脂肪酸を含む油が酸化してアルデヒドなどの酸化生成物が発生することがあります。これらの酸化生成物は、酸化ストレスや健康リスクと関連しており、加熱した油が長時間使用されたり、高温での調理が繰り返されたりすると、油そのものが酸化することでアルデヒドの生成が促進されます。
まとめると、アクリルアミド化は主に食材(炭水化物とアミノ酸)の反応によって生じ、アルデヒド化は油自体の酸化によって生じる反応です。高温での調理により、これらの現象が食用油や調理された食品に関連することがあるため、注意が必要です。
アルデヒドにはさまざまな種類がありますが、食品に関連するものとしては以下のものがあります。
アクロレイン:主に植物油が高温で加熱されたときに生成される。
ホルムアルデヒドやアセトアルデヒド:酸化脂肪の副産物として生成されることがある。
アルデヒドが原因となる病気やデメリット
発がん性のリスク: 一部のアルデヒド(例:アセトアルデヒド)は、IARCにより「ヒトに対して発がん性がある」(グループ1)と分類されています。特にホルムアルデヒドやアセトアルデヒドの長期間の暴露は、がんのリスクを高めると考えられています。
酸化ストレス: アルデヒドは酸化ストレスを引き起こし、細胞の損傷や炎症を促進します。これにより、心血管疾患、糖尿病、神経変性疾患などのリスクが増加します。
呼吸器への影響: 揮発性のアルデヒドは、調理中に吸入されると呼吸器の炎症や刺激を引き起こす可能性があります。
予防策
アクリルアミド化とアルデヒド化の両方には、健康に対するリスクが伴いますが、それらを軽減する方法もあります。
アクリルアミドのリスク軽減:
高温調理(特に揚げる、焼く)の時間を短くする。
茶色く焦がすのを避ける(ポテト、パンなど)。
食品の水分量を高める。
アルデヒドのリスク軽減:
油の加熱時間を短くする。
高温での調理を控え、低温での調理を心がける。
酸化に強い油(例:オリーブオイル、アボカドオイル)を使用する。
油の使い回しを避け、使用後の油を処分する。
これらの対策を講じることで、アクリルアミドとアルデヒドの生成を最小限に抑えることができ、健康リスクを減少させることが可能です。
酸化しにくい油を調べてみた
アボカドオイル
理由: 一価不飽和脂肪酸(MUFA)であるオレイン酸(オメガ9)が豊富で、酸化に強く、ホルモンバランスに悪影響を与える可能性が少ないとされています。高い煙点を持ち、加熱に非常に適しています。
オリーブオイル(エキストラバージンオリーブオイル)
理由: 一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸(オメガ9)が豊富で、比較的酸化に強いです。抗酸化物質も多く含まれており、ホルモンバランスに良い影響を与える可能性があるため、加熱調理に安心して使用できます。
マカダミアナッツオイル
理由: オレイン酸(オメガ9)を豊富に含んでおり、またパルミトレイン酸(オメガ7)も少量含まれています。酸化しにくく、ホルモンへの影響も比較的少ないとされています。煙点が高く、加熱に適しています。
ピーナッツオイル
理由: 一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸(オメガ9)を多く含みますが、二価不飽和脂肪酸であるリノール酸(オメガ6)も一定の割合で含まれています。酸化には比較的強いですが、オメガ6の含有量も考慮すると、オリーブオイルやアボカドオイルに比べて酸化のリスクはやや高めです。ホルモンへの影響も特に問題視されていません。
オメガ7は、パルミトレイン酸(palmitoleic acid)という一価不飽和脂肪酸で、体内で、脂肪細胞の代謝や抗炎症作用など様々な健康効果をもたらすと考えられています。また、比較的高い煙点(約210℃)を持ち、中温から高温での調理に適しています。
ただし、非常に高温(特に揚げ物など)での調理は、酸化や劣化のリスクがあるため、適切な温度での使用が推奨されます。
体の糖化(AGEssの蓄積)を食い止めるには
体の糖化(AGEs: Advanced Glycation End Productsの蓄積)を食い止めるには、以下の方法が効果的です。
低GI食品を選ぶ:
血糖値を急激に上げない食品(全粒穀物、野菜、果物など)を選ぶと、糖化の進行を抑えやすくなります。
砂糖や精製炭水化物を避ける:
白砂糖、白パン、白米などの精製された炭水化物は血糖値を急激に上昇させるため、糖化を促進してしまいます。
食物繊維を豊富に摂取する:
食物繊維は血糖値の急上昇を防ぎ、糖化を抑制するのに役立ちます。野菜、果物、豆類、全粒穀物を多く摂るようにしましょう。
抗酸化物質を豊富に含む食事:
ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどの抗酸化物質は、AGEsの生成を抑える効果があります。ベリー類、緑茶、ナッツ、ホウレンソウなどを積極的に取り入れましょう。
調理法に気を付ける:
高温で調理する(焼く、揚げる、炒める)とAGEsが多く生成されます。
できるだけ、蒸す、煮る、茹でるといった低温での調理法を心がけると良いです。下記の電鍋が、蒸すのにおすすめ。
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定期的な運動:
運動はインスリン感受性を高め、血糖値のコントロールを助けるため、糖化の進行を遅らせる効果があります。
十分な睡眠とストレス管理:
ストレスと睡眠不足は血糖値の変動を引き起こしやすく、糖化を進行させる要因になります。リラクゼーションや十分な休息を取り入れることが重要です。
これらの方法を生活に取り入れることで、体内の糖化を抑えることも出来るかもしれません。