読書感想文『翼の翼』
中学受験にはドラマがある。
中学受験は親子が二人三脚で時に協力を、時に意見を対立させながら乗り越えていく物語がある(気がする)。
大学受験は本人の努力の割合が(相対的に)高い。もちろん親がアッパークラスの方が医学部東大に受かりやすいと思いますが、アンダークラスからでも一発奮起して医学部や東大に入ることが出来る割合が比較的高いと思います。これは反対に小学校受験で幼稚舎に世帯年収が300万が受かる割合と、医学部や東大に世帯年収が300万が割合を考えれば理解出来ると思います。
つまり大学受験は本人に受験(の割合が高い)、小学校受験は親の受験です。これに対し中学受験は親の受験と子供の受験の比率がナイスな割合でミックスされ文学になるんだと思う。蛇足ですが、基本的には本人の受験である大学受験を親が子供をコントロールした佐藤ママは壺を売らしても一流だと思います。
以前私のクソnoteで読書感想文『金の角持つ子どもたち』
https://note.com/110119mail/n/nfb5f79f91f8a
を紹介したが、本書は上記より数倍面白かったです。
詳しい内容は是非読んで頂きたいのですが、才能に恵まれた貧乏人の子供が筑駒に合格するといった立身出世の物語ではないんです。そこが面白い、リアルな情景をかけているんです。特に中学受験の経験者である主人公のお父さんの受験の関わり方は面白かった。このお父さんの父親(主人公からは祖父)は眼科医で、鉄拳制裁をされながら中受を耐えぬいておられたようです。それが主人公(中学受験をする息子)への接し方に影響を与えています。我々医師にも経験のある方もおられると思います。その辺の記載や心理的な葛藤も『金の角持つ子どもたち』より数倍リアルで面白かったです。
今(6月1日)なら実質半額で購入できるので、中学受験で親にしばかれながら半泣きで勉強した医師の方や、中学受験の経験のない地方の方も面白いと思います。
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