私の生き方を変えた『生き方』(稲盛和夫、2004)
教員採用試験は、今でこそ低倍率が話題になることもありますが、
私が受験した頃には、倍率が高かった記憶があります。(校種や教科によりますが。)
大学4年生の時には、「44倍(44人受けて一人合格)」
翌年には、「22倍(44人受けて二人合格)」といった具合でした。
根拠の無い自信を持つことが取り柄だった私は、
高校3年生の夏休みと同様の大きな心(ただの慢心)で、
採用試験に臨んでいました。
結果はあえなく不合格。2年連続不合格。
時間講師をしながら、部活も見ていたので時間は無かったのですが、
それ以上に採用試験に対して真剣に向き合え切れていない自分に対して、
センター試験同様、神様からお叱りを受けたのかも知れません。
さすがに、2回連続で落ちた時には凹みました。
9月30日が最終結果の発表だったのですが、
1ヶ月間は立ち直ることができませんでした。
そんな時、ふと立ち寄ったブックオフで出会ったのが、この本です。
当時は稲盛和夫さんのことも知らず、
「生き方」というタイトルが気になっただけでした。
手に取ると、定価よりもだいぶ何と安くなっているではありませんか。
「お得じゃん」購入の動機はそれだけです。
この時に、この本を購入していなければ、
今頃は教師になれずに何か別の仕事をしていたかも知れません。
トンカチで頭を「ごーん」と殴られたような感覚になりました。
例えば、稲盛さんはこう問います。
「私たち人間が生きている意味、人生の目的はどこにあるのでしょうか。」
こんなこと考えてこなかった私にとって、
この問いは人生を見つめ直すに十分過ぎる問いでした。
そして、今現在も、その問いに対する答えを常に問うているように感じます。
購入して十数年。毎年1回以上は読んでいますから、
すでに15回くらいは繰り返し読んだでしょうか。
それでも毎回違う箇所に線を引いたり、共感したり。
私にとって無くてはならない座右の書です。
この本と出会って以来、稲盛さんに私淑し、
色々な著書やHPを拝見しては、心を磨く重要性を感じています。
どこまでできるかは分かりませんが、
稲盛さんの想いを少しでも広めていくことで、
高い志を持って人生を生き抜く人間が増えることを目標に、
日々の教育活動を進めていると言っても過言ではありません。
この本と出会えたことを、心から感謝します。