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中国皇后記

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このマガジンでは、中国の皇后について紹介した記事をまとめています。中国ドラマに沿った内容も書いているので、ぜひご覧下さい!
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2023年3月の記事一覧

中国皇后記 番外編〜後宮事情〜

 こんにちは、翎浅(れいせん)と申します。今回は、今まで紹介してきた皇后達が治めていた後宮事情と夫である皇帝についてを見ていきます。良ければ、見ていってください。(今回は中国皇后記3まで) 中国皇后記1 光献皇后李氏   光献李皇后(こうけんりこうごう)の夫は、金朝の5代皇帝·世宗です。世宗は、金朝初代皇帝·太祖の孫で、名は完顔雍(かがんよう)、父は太祖の五男で母は側室の李氏でした。彼は仁孝な性格で安定した治世をつくりだした名君です。彼の後宮を覗いてみましょう。 正室

中国皇后記7 乱世の賢后·昭成皇后慕容氏

 こんにちは、翎浅(れいせん)と申します。今回の皇后は、五胡十六国時代の北魏の前王朝·代の皇后です。彼女は道武帝の祖母に当たる人物です。 昭成慕容皇后とは?  昭成慕容皇后(しょうせいぼようこうごう、4世紀〜360年)は、代国の最後の皇帝·昭成帝の3番目の妻で、のちに孫の道武帝によって皇后に追贈された女性です。彼女はもともと、代国の隣国·慕容氏が治める前燕の公主でした。慕容皝(ぼようこう)の娘として生まれ、初代皇帝の妹でもありました。母親や名は不明です。  344年に慕容

中国皇后記6 世を照らせし皇后·明徳皇后強氏

 こんにちは、翎浅(れいせん)と申します。今回は五胡十六国時代·前秦(ぜんしん)の皇后を紹介いたします。それではいきましょう。 明徳強皇后とは?  前秦で有名な皇帝といえば、やはり符堅(ふけん)でしょうか?明徳強皇后は、後秦の初代皇帝·景明帝こと苻健(ふけん)の正妃です。"明徳皇后"と聞くと、やはり後漢の明帝の明徳馬皇后を思い出しますね。強氏はどのような人生を歩んだのでしょうか。  強氏は氐族(ていぞく、チベット系の民族)出身の女性で、弟に強平がいました。強氏は即位前の

中国皇后記5 忠節に散った鳥籠の皇后·穆皇后楊氏

 こんにちは、翎浅です。今回は前回に引き続き、五胡十六国時代の皇后を紹介します。 初めに  穆楊皇后(ぼくようこうごう)は、五胡十六国時代の後涼の霊帝·吕纂(りょさん)の皇后です。後涼は呂氏が立てた王朝で、前秦から派生した王朝。夫は弟から帝位を奪い、在位一年あまりで従兄弟の呂超(りょちょう)兄弟に帝位を追われた皇帝です。 楊氏の人生  楊氏は金城侯·楊恒(ようこう)の娘として生まれ、政治的な理由で後涼·初代皇帝の庶長子である吕纂に嫁ぎました。楊氏は容姿が美しく、剛烈で

中国皇后記4 宿命に燃える姉妹·成哀皇后段氏 献武皇后段氏

 こんにちは、翎浅と申します。今回から五胡十六国時代の皇后を見ていきましょう。今回はある姉妹を紹介いたします! 初めに  成哀段皇后(せいあいだんこうごう)が姉で後燕(ごえん)の初代皇帝・慕容垂(ぼようすい)の妻、献武段皇后(けんぶだんこうごう)が妹で南燕(なんえん)の初代皇帝・慕容徳(ぼようとく)の妻です。この姉妹は慕容氏の治める前燕(ぜんえん)という国に生まれました。段氏は鮮卑族の名門であり、前燕の初代皇帝の慕容皝(ぼようこう)の妻・文明段皇后(ぶんめいだんこうごう)

孤城閉〜仁宗、その愛と大義〜 北宋時代のドラマの後宮ー仁宗編

 こんにちは、翎浅(れいせん)と申します。BSで放送予定の北宋時代のドラマ「孤城閉~仁宗、その愛と大義~」。前回は真宗の後宮について紹介しましたが、今回は仁宗の後宮について紹介します。史実に基づくドラマのため、ネタバレが含まれています。  仁宗(1010年~1063年)は、北宋の四代皇帝で「孤城閉~仁宗、その愛と大義~」の主人公です。仁宗は北宋の皇帝の中で最も有名で、慶歴の治(けいれきのち)と呼ばれる時代をつくりました。仁宗の治世は41年、父・真宗が早くに亡くなったこともあ

大宋宮詞〜愛と策謀の宮廷絵巻〜 北宋時代のドラマの後宮ー真宗編

 こんにちは、翎浅(れいせん)と申します。BSで北宋の時代のドラマが2本、放送されます。「孤城閉~仁宗、その愛と大義~」「大宋宮詞~愛と策謀の宮廷絵巻~」です。この二つのドラマは真宗、仁宗親子の後宮が描かれています。今回は真宗の後宮について紹介します。史実に基づくドラマのため、ネタバレが含まれています。  真宗(968年~1022年)は、北宋の三代皇帝で「大宋宮詞~愛と策謀の宮廷絵巻~」の主役の一人です。真宗の治世は25年、妃嬪は約13人いたと言われています。真宗は北宋の皇

中国皇后記3 政略結婚から生まれた愛·明元昭哀皇后姚氏(めいげんしょうあいこうごうようし)

 中国皇后の世界へようこそ。前回はドラマ「上陽賦」のモデルとなった皇后を紹介させていただきました。今回もよろしければお付き合い下さい。 初めに  突然ですが、みなさんは北魏(ほくぎ)の明元帝(めいげんてい)をご存じでしょうか?北魏は三国志の三国が滅びた後の戦乱の時代·五胡十六国(ごこしゅうろっこく)時代の大国です。北魏は王女未央の舞台でもありますね。  二代皇帝·拓跋嗣(たくばつし)は、北魏の初代皇帝の道武帝(どうぶてい)の長男で、宣穆劉皇后(せんぼくりゅうこうごう)の息

6つの王朝の後宮制度

 こんにちは、翎浅(れいせん)と申します。最近の趣味は中国ドラマを見ることと中国の音楽を聞くことです。  中国ドラマを見てると、純妃とか令嬪とかどの位か分かりにくいなんてことがあります。今日は、時代別で後宮の位制度について紹介したいと思います。 ※上が最も位が高くなります。 漢の後宮制度  光武帝が多かった称号を簡潔にしました。 <この時代が舞台の主な後宮ドラマ> ·美人心計~一人の妃と二人の皇帝~ ·秀麗伝〜美しき賢后と帝の紡ぐ愛〜 ·三国志 Secret of Thr

中国皇后記2 ドラマ 上陽賦·王儇(おうけん)のモデルについて(ネタバレ序盤のみ)

 皆さん、こんにちは。翎浅(れいせん)と申します。  現在、NHKで放送されている「上陽賦〜運命の王妃〜」は、架空の国を元にした超大型スペクタクル時代劇です!今回は主役である王儇(おうけん)のモデルを紹介します! 王儇のモデルとは? ·主演:章子怡(チャン·ツィイー)  今作の主人公。皇室と琅琊王氏の血を引く、気高き上陽群主。幼馴染との結婚を願うが、運命に翻弄される。  <史実の人物>  王儇は二人の人物をモデルにしていると言われています。 1 文穆皇后 王憲嫄(ぶんぼ

中国皇后記1 小堯舜に愛されし皇后·光献皇后李氏(金朝)

初めに  初めまして。今回から中国の歴代皇后や妃達について紹介していく、翎浅(れいせん)と申します。以後、お見知りおき下さい。長い長い中国の歴史の中で皇帝の数だけ、その正妻である皇后がいました。皇后達は天下の母として降臨し、皇帝を支えました。  このブログでは、主に賢后や良妻と呼ばれた女性達を紹介します。作者の空想なども入りますので、そこはご了承下さい。  ブログの案内人である翎浅は、作者が書いている小説の主人公です。初回は小説内の翎浅のモデルとなった皇后について紹介しま