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人生はカレーである②

「人生はカレーである」第二弾です。
前回は家族とカレーの話でしたので、今回は私が作ったカレーの話をします。

飯盒炊さんのカレー

始めて自分でカレーを作ったのは小学校の時だ。
調理実習ではない。担任の方針のもと、週末に飯盒炊さんをやっていた。
場所は校庭や公園、神社の隅。
許可をとっていたとは思えない。
適当に穴を掘って、そのへんの木を入れて火をつけて、
学校で準備してきた食材を飯盒に入れて調理していた。

むちゃくちゃである。
公共の場所で勝手に火をつかうのはどうかと思う。
学校で準備した食材をビニール袋に入れて離れた場所まで持って行った
のもどうかと思う。
それで調理した料理を、公共の場所でみんなで騒いで食べていたのもどうかと思う。
先生、本当にむちゃくちゃでしたよ。

でも楽しかった。おいしかった。
カレーは野菜と肉を煮て、カレールーを加えただけ。水っぽかった。
ご飯もちゃんと炊けず、黒焦げの部分があった。
そんなカレーとご飯でも一緒にすればカレーライスだ。
今はできないと思うけど、面白かった。

夕食の支度は私にもできます

中学入学ぐらいから、自宅でもカレーライスを作るようになった。
しょうがとにんにくのみじん切りをいためてから野菜と肉を軽くいため、
煮込んだらルーを入れるという普通のカレーライスである。

祖母はだんだん弱ってきていて、頻繁に入院するようになっていた。
母が働いていることをとやかく言う親戚や近所の人がいて、それが面白くなかった。私にとって母が働いていることは誇りだった。夕食の支度は私にもできます!と言うつもりでカレーライスを作っていた。

いや、だめでしょ、カレーライスが作れるくらいで威張ってちゃ。
結局、母は退職した。

カレーライスとカレーうどん

大学時代、就職したての頃、やはりカレーライスを作っていた。
祖母のように醤油やソースもいれた。
料理雑誌に書いてある様々な隠し味、インスタントコーヒーとか、キャラメルとかも試してみた。
正直、私にはあまり差が分からなかった。でもどっちみちカレーライスだから美味しい。

大学時代、よく作ったのはカレーライスではなく、カレーうどんである。
一人暮らしをしていると、どうしても半端にカレールーが余るので、
これを消費するために考えた料理である。
湯をわかし、中に冷凍保存してある手羽先を入れ、煮込みながらうどんを投入、醤油とみりんで薄く味をつける。カレールーを溶かし入れながら、
春菊をちぎって入れて出来上がり。
春菊が入ったカレーうどんは、ねぎの入ったカレーうどんよりずっとおいしいと思う。そう思って今も作ってみるのだが、家族の反応は薄い。

今の私のカレーライス

結婚してからは前に書いたように、カレーライスを作るのは夫の仕事になった。
でも全然作らないわけではない。次の2つの場合に関わる。
1つは「今日はもう何にもしたくない。カレーでいいんじゃない?」ということになった時。
もう1つは「夏野菜カレーにしたいけど、なんとかしてくれない?」と夫からリクエストが来た時。

冷凍庫に入っているもので作る即席カレー

「今日はもう何にもしたくない」という時に作るカレーである。
冷凍庫に「アレ」が入っている時に作る。
「アレ」とは、「たまねぎいため」と「茹でたほうれんそう」である。
秋から春先にかけて、私は次のような方法で「たまねぎいため」と「茹でたほうれんそう」を冷凍保存している。

*たまねぎいための作り方
 たまねぎ5〜6個(もっと多くてもいい)をスライスし、厚手の鍋でいためる。
 弱火にしてふたを閉め、ゆっくりいため、
 水が出てきたらふたをとって水気をとばす。
 好みの状態で火を止め、ジップロックに平にいれて冷凍保存する。
 「好みの状態」とは「しなしなになったくらい」「くたくたになったくらい」「ぺたぺたの飴色になるまで」の三段階である。
 私は「くたくた」で保存している。カレー、シチュー、グラタン、スープ、ミートソースなどに使う。

*茹でたほうれんそうの作り方
 作り方…なんてものはないけれど。
 さっとゆがいたほうれんそうを食べやすい大きさに切り、ジップロックに平にいれて冷凍保存する。
 おひたしにするにはイマイチだけど、味噌汁やスープの具材になる。

たまねぎもほうれんそうも自家製(というか父製)なので、大量にある。
これを無駄なく食べるための工夫がこの冷凍保存である。
さあ、いためたまねぎと茹でたほうれんそうが冷凍保存されているとして、「今日はカレーでいいよね」となったらどうするか。

湯をわかして、中に冷凍のたまねぎとほうれんそうとコンソメキューブを入れる。
冷凍してある肉か、冷蔵庫の隅にある肉を入れる。なかったらウインナーをこまかく切って加える。またはベーコンを切って加える。
カレールーを溶かして出来上がり。
やる気(長野県の方言で「ずく」というやつです)があったらゆで卵をつける。

こんな適当なカレーライスでも十分おいしい。だけど、手抜き感が半端なく、申し訳ない気持ちになる。

夏の野菜カレー

カレー自体は夫が作る定番カレーである。私は夏野菜(なす、ピーマン、ししとう、ズッキーニ)を食べやすい大きさに切ったものを油で焼き、香ばしくしてから皿に盛り付ける。
めいめいがカレーの上に野菜をトッピングするという趣向である。
ナスが美味しくて美味しくてもう……。最初からカレーと一緒に煮てしまうより、ずっと美味しいと思う。
他の野菜も美味しい。夏だね!という味。

番外編 PTAで作ったカレー

地域の行事で子どもたちにカレーをふるまうことがあった。
PTAの役員が集まってカレーを作る。50人分ほどのカレーである。
ご飯はそれぞれが炊飯器を持ち寄って炊いた。
大量の具材を切り、大鍋に入れて煮る。
肉をどうするかでちょっと議論した。「生のまま鍋に投入」「フライパンで炒めてから入れる」「フライパンで炒めたあと、余計な油を拭き取って入れる」
わいわいと議論して、結局、「フライパンで炒め、油ごと入れる」になった。美味しかったなあ。

コロナ禍、行事の中止が相次ぎ、開催にこぎつけても飲食禁止になった。
カレーを作った世代の役員はすべて抜けてしまったから、ノウハウも消えてしまった。もう作らないかもしれない。大変だったもの。
その方が役員さんたちの負担が減る、よかったね、と思いつつも、けっこうみんなでわいわいカレーを作って子どもたちに食べさせたの、楽しかったと思っている。

気がついたら

今の私は「隠し味にインスタントコーヒー」とか、思わなくなっている。
定番カレーライスで十分美味しいと思っている。
変化をつけたければ、具材、トッピングを工夫すればいい。
不思議なものだ。
それにしてもこんなにカレーの話が長くなるとは思わなかった。
いずれ「人生はカレーである③」を書きます。

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