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『甲冑の歴史』~工夫と適応~リテラ探究学習研究レポート

甲冑の美しさに魅せられたKさんは、その成り立ちや歴史について調べることにしました。より深く知ることで、甲冑の魅力をより深く味わうことができるようになるはずです。

この研究をしたのは、新小学4年生のK・Yさんです。



■リテラの先生からのコメント

甲冑の歴史を調べることは、日本の歴史を知ることでもありましたね。
弥生時代から明治まで、スケールの大きな研究になりました。
甲冑姿も素敵でしたよ! 戦に行くならどの甲冑にしようか、迷ってしまいますね。

■テキスト資料

ぼくは、歴史が好きです。
去年、松山城について研究しました。


大山ずみ神社の国宝館にあった甲冑を見た時、こまかな部品が光をはんしゃしているのを見て、きれいだと思いました。
今回の研究テーマは、日本の甲冑を選びました。


皆さんは、甲冑を知っていますか?
甲冑は、いくさの時、体を守るものです。
では、甲冑はどのようにつかわれはじめたのでしょうか。
これから、日本の甲冑のはじまりと、歴史について紹介します。


日本の甲冑のはじまりは、いつだと思いますか。
甲冑は弥生時代に、ムラ同士の集団のあらそいが始まって作られました。


弥生時代の甲冑は、木ぞうで、その後の日本のよろいの原けいになりました。
おなかとせなか、袖の部分を、板をつなげて守りました。
ぶきも、きほん的に弥生時代にできました。


古墳・奈良時代になると、国を一つにするためのいくさが始まり、馬と弓が使われはじめました。


古墳・奈良時代に短甲(たんこう)と挂甲(けいこう)という甲冑ができました。
短甲は短く、とくに、人どうしのたたかいで動きやすいです。
鉄でてきていて、身分の高い人が使っていました。


けいこうは、穴の空いた小さな板である、こざねを とじてつくられました。
こざねは、小さな細長いかわや鉄で作られています。
これをとじあわせて、かたいそざいに じゅうなんせいをもたせます。


これが、2つのしゅるいの けいこうです。
右はどうまるしき、左はうちかけしきで、それぞれ、次の時代の甲冑に しんかしました。


平安時代になると、武士が力をつけました。
馬に乗って弓を使うのが、武芸のきほんになりました。
この時代に、大鎧と胴丸ができました。
二つの甲冑は、その後も長く使われています。


大鎧は、馬に乗って弓を使うたたかいで、弓から身を守るための、甲冑です。
主に、馬に乗る人が身につけました。


弓を引いた時、わきの下を守る板が、むねについています。
体の左側の板は、弓が引っかからないようになっています。


胴丸は、歩いて たたかう人のための よろいです。
こしから下の くさずりという部分が、8つに分かれたことで、より動きやすくなりました。


鎌倉時代には、人同士が近づいてたたかう、組み打ちという せんぽうが ふえました。
さらに動きやすくするために、腹当と腹巻という よろいができました。


腹当は、前だけしか守らない、もっとも かんたんな甲冑で、とても軽いです。


腹巻は、大鎧よりも着やすく、体の前も後ろも守ることができます。
腹当と同じく、軽いため、歩きの たたかいで使われました。


南北朝・室町時代は、南朝と北朝に分かれ たたたかいが行われました。
山にこもる敵に、とつぜん おそいかかる たたかい方がふえ、馬に乗って たたかうための大鎧は、あまり使われなくなりました。


ぎゃくに、軽い胴丸や腹巻が、もっと使われるようになりました。


安土桃山時代には、鉄砲の使い方が勝負を決めました。
槍や鉄砲に強く、動きやすい「とうせいぐそく」が使われるようになりました。
とうせいぐそくは、「いまふうのよろい」という意味です。


とうせいぐそくは、お腹の板を、板ざねと呼ばれる大きい板にしたので、作るのが かんたんになりました。
また、西洋の ぎじゅつを用いて、いろいろな よろいが作られました。


江戸時代には、いくさがなく平和な時代でした。
甲冑は、家を表す道具になり、オリジナルのデザインになりました。


明治時代になると、大砲などが多く使われるようになりました。
甲冑が かなわなくなって、その役目は終わりました。


僕は、1月、小田原城で甲冑を着てみました。
おもちゃの甲冑でした。


甲冑を着たのは、僕と、弟二人と、お父さんでした。


子供用の甲冑は軽かったです。
でも、大人の甲冑は、本物と同じくらい重いそうです。
お父さんは、「兜が重い」と言っていました。


おもちゃでも、固かったです。
弟におもちゃの刀で切られましたが、切り返しました。


本物の甲冑は もっと重たいんだなと思いました。


たぶん、ぼくたちが着たのは腹当で、お父さんが着たのが、どうまるか 腹巻だとおもいます。
もし、皆さんが戦場に行くとしたら、どうまるか 腹巻がおすすめです。
なぜなら、動きやすいからです。


皆さんいかがでしたか?
新型コロナウイルスで、今は甲冑体験ができるところが少ないけれど、きかいがあれば甲冑を着てみてください。
これで発表を終わります。
聞いてくださってありがとうございました。

■研究の振り返り

◇これはどのような作品ですか?
甲冑の歴史を伝える発表         

◇どうしてこの作品をつくりたかったのですか?
大山ずみ神社の甲冑を見てきれいだと思ったから

作品づくりで楽しかったことは何ですか?
甲冑を着たこと。思ったより硬かった。

作品づくりで難しかったことは何ですか?
歴史を調べて、順にまとめること

作品作りを通して学んだことは何ですか?
甲冑だけでなく、昔と今をくらべると、昔より今のほうがいろいろ便利になっていることを学んだ。

◇次に活かしたいことや、気をつけたいことはありますか?
もう少し話すスピードをゆっくりにする

◇来年研究したいことは何かありますか?
日本の歴史系

この作品を読んでくれた人に一言
いろいろな歴史について考えてみてください。聞いてくださってありがとうございました。


この記事を書いた生徒

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